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目が白ければ、白内障?(院長不在のお知らせ)

スタッフブログ

こんにちは、獣医師の石丸です。

病院前の花壇に小さないちごが実り始めました。

寒さが一層厳しくなってきた今日この頃ですが、寒さの下でも季節は一歩ずつ春に向かっているんですね。

天気予報によると、今週は寒波がやってきて雪も降るかもしれない、とのこと。
世間のいちごが温室でぬくぬくと育つ中、健気に雨風に立ち向かっているこのいちごたちが、寒波に負けてしまわないよう、無力な応援をしています。

 

先週の木曜日はお休みをいただいて、京都市内で開催された眼科のセミナーに参加してきました。

人の医療では、専門分野ごとに分業がされているので、目の治療を行うのは主に眼科医さんのお仕事ですが、獣医は全ての分野である程度の診断と治療が出来る必要があります。

最近では獣医も分業が進んでおり、眼科や整形外科、皮膚科など、それぞれの分野の専門病院が少しずつ増えてきていて、当院のような一般診療医では診断や治療が難しい症例は設備が整っている専門病院へ紹介させていただいています。

とはいえ、そういった難しい症例の場合でも、私たち一般診療医の初期対応次第で、その後の経過が大きく変わってくることも少なくありません。

眼科は多くの獣医師が苦手とする分野ですが、目が見えるか見えないかというのは、わんちゃんやねこちゃんの生活の質を大きく揺るがす問題です。

苦手な分野だからこそ!朝10時から夜6時までという、受験生の予備校のような時間設定のセミナーで、眼科の基本を1日みっちり勉強させていただきました。

 

 

せっかく眼科の勉強をしてきたので1つだけ目にまつわるお話をしたいと思います。

 

日常の診察の中で、「だんだん目が白くなってきた気がします。もう年だし、白内障でしょうか?」というお言葉をよく耳にします。

目が白く見える理由は、角膜の異常、水晶体の異常、目の内部の炎症、高脂血症など、多岐にわたります。

特に目のしょぼつきや充血が見られない場合、最も多いのは水晶体の異常です。
水晶体は目の中心から前方にある、透明な丸いレンズ状の物質です。

目を覗いてみて、瞳の中だけが白い、という場合は、この水晶体が白濁している可能性が高いです。

水晶体が白く濁ってしまう原因としては、「白内障」と「核硬化症」があります。

 

まずは、皆さんが心配していらっしゃる、「白内障」。

白内障は、透明だった水晶体のたんぱく質が変性して白くなってしまう病気です。
そう聞くとなんだか難しく感じますが、卵の白身をイメージしていただくと分かりやすいかと思います。

生卵の白身は透明ですが、ゆで卵にすると真っ白く固まってしまいますよね、それと同じ変化が水晶体にも起こっている状態です。
そして、ゆで卵を生卵に戻すことができないように、この白濁を治すことは現代の科学では不可能となっています。

シニアのわんちゃんでよく見られる、加齢性の白内障はゆっくりと進行し、いずれは目が見えなくなってしまいます。
進行の過程で目の内部で炎症が起きてしまうこともあるので、目のしょぼつきや充血が出ることもあります。

治療としては、抗炎症剤の点眼やサプリメントなどで、少しでも進行を抑えていくことになります。

ただし、若くして症状が見られる場合は、遺伝性の白内障の可能性が高く、非常に進行が速いです。
特に柴犬やアメリカンコッカ―スパニエル、フレンチブルドック、ボストンテリアなどは、この遺伝性の白内障の好発犬種になりますので注意が必要です。

また、背景に糖尿病がある場合も、急速に白濁が広がってきます。

これらの白内障の場合では、外科手術も適応になってきますので、急速に目が白くなってきたな、と感じられた際は早めにご来院いただければと思います。

 

 

次に、きっと皆さんがあまり聞きなれない「核硬化症」。

水晶体が白く濁ってくるのは、白内障と同じですが、こちらは年を重ねることで出てくる正常な変化であり、目が見えなくなることはありません。

 

水晶体の細胞は常に新しく作られており、古い細胞も水晶体内に残るため、年を経るごとに水晶体内の細胞の数はどんどん増えてしまいます。
こうして細胞がぎゅうぎゅうに詰まってしまった水晶体は、全体的にぼんやりと白く濁って見えます。

これが核硬化症です。

 

 

白内障も核硬化症も、わんちゃんではよく見られますが、ねこちゃんではほとんど発生しません。
ねこちゃんの目が白い、と感じられた場合は他の原因を探る必要があります。

 

このブログを読んだ、わんちゃんの飼い主さんはなんだかちょっと怖くなってきてしまったでしょうか。
特に柴犬やコッカー、フレブル、ボストンの飼い主さんはドキッとしていらっしゃることと思います。

「目が白い」という異常の裏には、目だけではなくさまざまな異常が潜んでいる可能性があります。

「もう年だしこんなものかな」とお家で判断してしまわずに、早めにご来院いただいてお話をお聞かせください。

 

 

1日講義を受けて勉強した気になっている私とは違い、世の中の受験生の皆さんは連日夜を徹して勉学に励んでいる時期かと存じます。
中学受験も大学受験も、そして獣医師国家試験や動物看護師認定試験も、今が追い込み時ですね。

受験生の皆さんもくれぐれも目を大切に、寒く辛い毎日の先に、美しい桜が咲くことを心から祈っています。

院長不在のお知らせ
2月3日(土)の午前11:00以降と午後は院長不在となっております。
診察は石丸が行っておりますが、院長診をご希望の方は午前の早めの時間にご来院をお願いいたします。
また、待ち時間が長くなることが予想されますのでご理解ください。

 

 

――――飼い主さんと動物たちのえがおのために――――
京都府長岡京市
乙訓どうぶつ病院
~乙訓地域(長岡京市、向日市、大山崎町)、大原野、伏見、久御山、島本町~

 

 

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