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ウサギの麻酔について

スタッフブログ

こんばんわ、獣医師の岩田です。早くも2020年が終わり、また新たな年を迎えようとしています。今年はホントに大変な一年となりました。今後もまだまだ不安はつきまといますが、こんな時期だからこそ、健康に穏やかに過ごせる時間を大切にしたいですね。年末に寒気の予報、グッと冷え込むようです。体調にはくれぐれもお気をつけいただき、また笑顔で2021年を迎えましょう。

今回のブログでは、麻酔管理(全身麻酔)について触れたいと思います。
昨今、麻酔管理についての意識が上がっており、様々な薬や管理方法が提唱されています。
その中でも、最近当院でも担当させていただくことが増えているウサギの麻酔についてまとめました。
お時間あれば、一度目を通してみてください。

皆様は麻酔に対してどのような考えをお持ちでしょうか?
「よくわからない」、漠然と「怖い」、などという声をよくお聞きします。
そもそも麻酔はなんの為に実施するものでしょうか?
それは、治療を実施する為に、痛みや不安を軽減し、スムーズな処置が行えるようにすることです。あくまで手段の1つなんですね。でも、この麻酔はとても奥が深くて(まだまだ私も勉強することが山ほど、、、)、薬の使い方、組み合わせ、使用するタイミングなど、たくさんのポイントがあって、それらをコントロールして初めて適切な麻酔が実施されます。
大切な家族が痛がる姿は見たくないし、安定した術前術後の経過を求めることは当然です。
飼い主の皆様には実際の麻酔現場をご覧いただくことがないので、とても伝わりにくい領域なのですが、当院では適切な麻酔処置を実施するために、定期的な勉強会や意見交換、セミナーなど、可能な限りの努力をしています。

さて、ウサギの麻酔についてです。
これまで、ウサギに安全な麻酔をかけることは困難といわれてきました。
その理由として、
・犬や猫に比べて麻酔の機会が少ない
・ストレスに関連した周術期の合併症(例:胃腸障害)が起こりやすい
・気管挿管が難しく、呼吸停止が起こりやすい                などが挙げられています

動物病院による麻酔における死亡リスクを調査した研究では、犬や猫に比べて麻酔リスクが高い(約2%)ことが示されています。(Brodbelt et al., 2005
しかし、麻酔の知識や技術を習熟し、より高度な周術期ケアを実施することで死亡率や罹患率は軽減できます。

麻酔をする際の全体の流れは、

① 麻酔前の評価・処置 ② 麻酔の導入・維持 ③ 麻酔後の管理 です。

順番に解説いたします。

①麻酔前の評価・処置
まず、麻酔をかける前に呼吸器や循環器に異常がないかを評価します。
血液検査、レントゲン検査、エコー検査などを実施し、総合的に評価します。
(年齢や性別によって検査内容は変わります。)
検査で大きな異常が見当たらなければ、麻酔前の処置に入ります。ウサギは犬猫と違い、麻酔前の絶飲食は致しません
むしろよく食べさせておくことで、術後の食欲不振を予防できます。

②麻酔の導入・維持
麻酔導入前に、前投与薬を投薬します。ウサギは慣れない場所でストレスを感じるし、麻酔導入時もストレスが加わります。さらに、ストレスで麻酔の副作用が増大したり、麻酔が効きにくくなったりもします。麻酔前投薬は、適度な鎮静効果をもたらし、ストレスを軽減させることで、副作用の軽減、麻酔効率の向上を目的をして使用されます。
麻酔導入は、複数の薬剤を用いたバランス麻酔を実施します。術中は、血圧、体温、心拍数、呼気中のガス濃度など、多くの項目をモニターすることで、可能な限り安全な麻酔を維持します。
ウサギの麻酔では、呼吸管理が最も重要です。現在当院では喉頭チューブ(写真)を用いることで、できるだけ安全に管理をしています。

③麻酔後の管理
ウサギでは、犬猫のように麻酔後の絶飲食は行わず、すぐにでも与えます。消化管の動きがよくない場合は、胃腸機能刺激薬が有用な場合があります。当院でも、術後に抗生剤とともに処方しております。その他、脱水予防の皮下点滴も行います。
また、ストレスへの配慮も重要ですので、清潔さ・臭いなどにも注意して管理します。
「痛み」は、食欲不振や術後の回復を遅延させるため、疼痛管理はとても大切です。
一般的な手術(避妊・去勢)では、単独の鎮痛剤を術後24-48時間くらい使用すると十分と言われていますが、大きな手術の後は、複数の鎮痛剤を併用することもあります。以下の行動が、ウサギに見られる痛みの表現と言われています。
・腹部の収縮
・腹部を床に押し付ける動作
・歯ぎしり
・異常な歩き方

このような動作が認められれば、さらに鎮痛を強化するべきと言われておりますが、実際は痛みを表現することは少なく、判断が難しいのも現状です。当院では、非ステロイド性消炎鎮痛剤およびオピオイドという鎮痛薬を使用しています。

長くなりましたが、今回はウサギの全身麻酔についてお伝えしました。
もちろん、犬猫でもデータや経験に基づいた麻酔管理に努めております。
今後も多くの動物たち、飼い主さん方が笑顔で暮らせるよう、精進していきます。
安心してご家族である動物たちをお連れくださいませ。
2021年も皆様に寄り添います。                       乙訓どうぶつ病院 スタッフ一同

 

2020年12月30日(水)~2021年1月3日(日)は休診となります。

また、上記期間はホテルの受け入れも行っておりません。ご理解・ご協力お願いいたします。

緊急の場合は、下記の動物病院にご連絡ください。
※京都夜間動物救急センター
〒601−8103  京都市南区上鳥羽仏現寺町11番地  京都動物愛護センター内
TEL:075-963-9912
京都夜間動物救急センター[京都市獣医師会 運営] (kyoto99.net)

 

※京都夜間どうぶつ診療所
〒613-0034 京都府久世郡久御山町佐山西ノ口10-1日本ファミリービル 1F
TEL:0774-44-3139
京都 救急 動物病院 | 京都夜間どうぶつ診療所 (nac-kyoto.com)

2021年1月4日(月)からは通常通りの診察です。

 

 


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