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アトピー性皮膚炎

皮膚科

【アトピー性皮膚炎とは】

アトピー性皮膚炎とは、遺伝的な原因により慢性的な皮膚のかゆみを繰り返す皮膚疾患のことです。発症すると、多くの場合環境中のアレルゲンに対するIgE抗体の増加が見られます。

皮膚は体全身を覆う臓器であり、細菌などの外界の刺激から体を守るバリア機能が備わっています。

アトピー性皮膚炎になると、皮膚バリア機能が低下するため二次的な皮膚感染症に罹りやすくなります

 

【病態】

犬と猫のアトピー性皮膚炎に共通する特徴として皮膚のかゆみがあります。

犬と猫ともに若齢での発症が多く、6ヶ月〜3歳までに初発が見られますが、7歳以降の高齢での発症も報告されているため注意が必要です。

 

かゆみは湿度が高くなる夏場に悪化することが多いものの、ハウスダストや花粉などのアレルゲンが原因の場合はそれぞれのアレルゲンが増加する時期にかゆみのピークが現れます。

また、かゆみは加齢に伴い悪化することが多く、加齢による免疫機能の低下から二次性の皮膚感染症 (特に膿皮症とマラセチア性皮膚炎)を続発することもあります。

 

好発品種は、犬の場合は、柴犬、フレンチ・ブルドッグ、パグ、シー・ズーなどが挙げられます。猫の場合はアビシニアン、ヒマラヤンなどが挙げられます。しかし、全ての品種で発生する可能性があるため注意が必要です。

 

【症状】

アトピー性皮膚炎の全ての症例で皮膚のかゆみが見られます

その他では、患部を掻いたり舐めたりすることで皮膚が赤くなる、かゆみから誘発された自傷行為によって、脱毛、皮膚のびらんや潰瘍が観察されるなどがあります。

 

【診断・治療】

アトピー性皮膚炎は除外診断が基本となります。除外すべき疾患として、皮膚糸状菌症などの皮膚感染症、他のアレルギー性皮膚炎、行動学的問題による掻爬行動(そうは行動:体を掻くまたは、ひっかく行動のこと)などが挙げられます。

これらの除外診断に加えて、アレルゲン特異的IgE検査を行います。さらに、特徴的な病変の位置 (前肢と耳介部に病変があり、耳輪縁と腰背部に病変がない)などを総合的に評価し、診断を行います、

 

アトピー性皮膚炎は現時点では根治できない病気であるため、治療はかゆみのコントロールを目的として行われます。

 

アレルゲン刺激の回避

原因となるアレルゲンが判明している場合は、アレルゲンへの接触を減らすことが何よりも重要です。特にハウスダスト、ダニ・ノミ類、肉や卵などの特定の食物抗原への接触の回避は非常に有効です。

 

二次性の皮膚感染症の管理

アトピー性皮膚炎のかゆみを増悪させる二次的な皮膚感染症として特に注意が必要な感染症は、膿皮症とマラセチア性皮膚炎です。前者には抗菌薬の外用やクロルヘキシジンを用いた洗浄を行います。後者には抗真菌薬の外用やミコナゾール含有シャンプーを用いた洗浄などを行います。

 

皮膚のかゆみに対する薬物療法

アトピー性皮膚炎による強いかゆみを制御するために、ステロイドや免疫抑制剤 (シクロスポリンやオクラシチニブなど)を使用します。これらの薬物療法は対症療法であり、長期的な投薬が必要となることを飼い主様に十分に理解していただく必要があります。

 

【予後】

犬と猫のアトピー性皮膚炎は直接命に影響を与えるような病気ではありませんが、皮膚のかゆみによる不快感から生活の質を落とさないために生涯にわたる投薬が必要となります

一度皮膚のかゆみが治っても投薬を中止するとすぐに症状が再燃することが多いため自己判断での休薬はしないように注意してください。

 

※猫のアトピー性皮膚炎について
猫は、アトピー性皮膚炎が確立していません。
猫のアトピー性皮膚炎は、非ノミ非食物誘発性過敏性皮膚炎と呼び方がありますが、本記事では、分かりやすいようにアトピー性皮膚炎と統一します。

 

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