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てんかん

脳神経科

【病態】

てんかんとは、不定期に発作を繰り返す疾患で、一部の脳細胞が過剰に活動することで起こる脳の慢性的な病気です。

 

てんかんは、脳内にてんかんを引き起こすであろう原因が見つからない「特発性てんかん」と、脳腫瘍や脳炎、脳外傷など、脳の異常や病気が原因でてんかん発作が生じる「構造的てんかん」の2種類に大きく分類されます。


また、発作の様子でも分類されており、てんかんが脳全体に起こり全身症状として現れる全般性発作と、脳の一部に限局して起こり身体の一部に発作が出現する焦点性発作があります。

 

【症状】

てんかんの代表的な症状には、意識を失いながら全身がピンと硬直してけいれんする強直性発作(きょうちょくせいほっさ)、全身がガクガクとけいれんする間代性発作(かんだいせいほっさ)、これらが順に起こる強直間代性発作(きょうちょくかんだいせいほっさ)などがあります。

 

必ずしも全てのてんかん発作で意識を失う訳ではなく、突然落ち着きを無くしてソワソワしだす、意識がある状態で口をカチカチ動かす(口部自動症)、一本の足だけがピクピク動くような部分的な発作や、尿失禁や便失禁などの自律神経徴候など様々な症状が現れます。

 

てんかん発作は通常2〜3分で自然に収まりますが、5分以上続く場合や、発作が収まる前に次の発作が始まる場合があり、これを「てんかん重積」と呼びます。

また、一日に複数回の発作を起こす場合を「群発」と呼びます。これらは脳に大きなダメージを与えるリスクが高いため、すぐに発作を止める必要があります。様子を見ずに、動物病院へ連絡してください。

 

【診断・治療】

てんかんの正確な診断を行うためには、まず全身の健康状態をしっかりと把握し、てんかん発作に似たけいれんを起こす他の原因(低酸素状態や毒物による中毒など)と区別する必要があります。

そのために、身体検査血液検査、そして脳や脊髄を含む中枢神経系の状態を調べる神経学的検査が行われます。

また、状況に応じて、CT検査MRI検査脳脊髄液検査なども実施され、これによって脳の内部状態や脳脊髄液の状況を詳しく調べます。

*基本的にCT検査、MRI検査、脳脊髄液検査は全身麻酔をかけて行う検査です。

 

上記全ての検査で特に異常が見つからずにてんかんが繰り返される場合は、特発性てんかんと診断されます。
一方、MRI検査やCT検査で脳に炎症や腫瘍が見つかった場合は、それらが原因となっているてんかんと診断されます。

MRI検査は脳の詳細な状態を確認するのに有効であり、てんかんの診断において非常に重要な検査です。

 

てんかんの基本的な治療法は、発作の頻度を減らすための抗てんかん薬を服用することです。抗てんかん薬の使用で、多くの場合、発作頻度を減らし、年に数回程度に抑えることができます。

犬と猫に使用できる抗てんかん薬には、ゾニサミド、レベチラセタム、ジアゼパムなどいくつかの種類があり、1日の投薬回数、効果の大きさ、副作用、費用などが異なるため、それぞれの状況に合わせて薬を選択します。

基本的にてんかんは完治せず、障害にわたって治療を続ける必要があります

そして、脳炎や脳腫瘍などがてんかんの原因である場合は、それらの治療も同時に行います。

 

【予後】

特発性てんかんの場合、犬では約70%が抗てんかん薬により良好に発作をコントロールできるとされています。猫においても大きな差はないようです。

一方、抗てんかん薬を服用しても発作をコントロールできない「難治性てんかん」も存在します。


現在、難治性てんかんに対する有効な治療法はありませんが、人間の医学で行われているてんかんに対する外科手術の方法を動物に応用しようとする研究が進行中です。

 

また、てんかん重積や群発発作は、脳の神経細胞に不可逆的な損傷を引き起こす恐れがあり、最悪の場合死に至ることもあります。

 

このような重症化を防ぐためには、早期に適切な診断を受け、抗てんかん薬により日常的にコントロールすることが非常に重要です。

もし発作のような症状が見られたら、すぐに獣医師に相談してください。

 

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