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症例紹介

細菌性膀胱炎

泌尿器科

【病態】

膀胱は腎臓で作られた尿を貯める働きをする臓器で、分厚い粘膜層でできています。健康な動物の場合、膀胱粘膜が尿量にあわせて伸縮することで、膀胱は尿を一時的に貯めることができます。

細菌性膀胱炎は、なんらかの原因で膀胱内に細菌が侵入して増殖することで起こります。

膀胱内に細菌が侵入する経路としては、外部から尿道を通じて感染する経路(上行性)と体内の他の部位から感染する経路(下行性または血行性)があります。この中でも最も多いのが上行性で、主に便などに含まれる腸内細菌などが原因となります。また、は雄に比べて尿道が短くて太いので、雄よりも細菌性膀胱炎が起こりやすいです

 

【症状】

主な症状としては少量の排尿を頻繁にする、いわゆる頻尿が挙げられます。また、細菌感染によって膀胱粘膜が傷害を受けることで血尿が生じたり、残尿感から長い間排尿姿勢をとり続けたりといった行動もみられます。場合によっては排尿痛や、尿が白濁することもあります。

 

【診断・治療】

細菌性膀胱炎を診断するためには尿検査が必要になります。

◎尿検査でみつかる異常所見

  • 細菌の出現
  • 白血球(好中球)の出現
  • アルカリ尿

頻尿や血尿などの症状を示すものとして、細菌性膀胱炎の他に尿石症、特発性膀胱炎、膀胱・尿道の腫瘍、腎盂腎炎などがあります。これらは細菌性膀胱炎と症状がほとんど同じなため、症状だけでは鑑別できません。また、尿石や腫瘍があっても尿検査では検出できないこともあるため、その場合はレントゲン検査やエコー検査を行なって、結石や腫瘍の有無を確認する必要があります。

治療は、主に抗菌薬によって行います。薬剤感受性試験の結果に基づいて適切な抗菌薬を選択し、それを継続的に使用することで治療します。頻尿などの臨床症状が消失し、尿検査で異常が認められなくなれば治療終了となります。治療期間は、動物によって様々ですが、単純な細菌感染の場合は2~3週間、尿石症や糖尿病など、その他の疾患が複合的に関与している場合は少なくとも4週間はかかることが多いです。

 

【予後】

単純な細菌感染のみが原因の膀胱炎の場合は抗菌薬の治療だけで良好な予後が見込めます。しかし、尿路系の外傷や尿石症、糖尿病、ホルモン異常などの基礎疾患が存在していると、抗菌薬だけでは奏功せず、それらの治療もあわせて行う必要があります。基礎疾患がコントロールできれば予後は良好ですが、コントロールが難しければ膀胱炎に対する治療も困難となります。

また、細菌性膀胱炎ではその発症は動物自身の防御機構が大きく影響しています。定期的に膀胱を空にすることは効果的な防御機構の1つであり、完全に膀胱を空にすることによる機械的な洗浄によって、膀胱内に入り込み、かつまだ膀胱粘膜に定着していない細菌の95%以上が排除されます。そのため、普段からしっかり水分をとらせて、尿量を増やしたり、排尿回数を増やしたりすることが効果的な予防ににつながります。