なんかうちの子、くさい!?
コラムお知らせ
こんにちは。
獣医師の小濵です。
6月に入りましたね。
早速、水無月を作ってしまいました♪
小豆は茹でて、あとからトッピングです。
本来は、6月30日の夏越の祓えに食べるものなんですね。
長岡京市には和菓子屋さんが多いですから、皆さまお気に入りがありますでしょうか?
【水無月に夏越の祓する人は千歳の命のぶと言うなり】
通常の外郎(ういろう)とは異なる、三角形の形は「氷」を表します。
また、小豆の赤は日本古来からの教えで「悪霊祓いや災厄を防ぐ色」とされています。
涼を取りつつ、悪霊祓いの意味もかみしめる。
そんな水無月を食べて、来たる夏の暑さに備えましょう!
ワンちゃん猫ちゃんには、氷を舐めさせてあげるなどして、一緒に雰囲気を楽しめたらいいですね♬
さて、夏本番の前にじわじわきているのが‥
梅雨ですよね‥(>_<)
湿気が多くカビやすいこの季節。
実は、ワンちゃん猫ちゃんにもカビがつきやすくなるってご存知でしたか?!
ちょうど先日の診察でもカビで皮膚が痒くなっている子が続けて来院されていました。
紫色に染まり、雪だるま?ピーナッツ?の様な形をした粒々が、
カビ(マラセチアと呼ばれる酵母菌の一種)です!
これらは正常な皮膚や環境中にも存在はしますが、異常に増えて皮膚炎を起こしてしまうと、
マラセチア性皮膚炎という、皮膚病になってしまうのです。
毎年この6~9月辺りだけ皮膚炎が強くなるんです(O_O)と言う方も。。。
暑さと湿気で皮膚がべとつきやすいこの季節ですから(゚o゚;;
カビが大好きな環境ですよね。
うちの子も、大丈夫かな‥
おうちでも分かりやすいので、チェックしてみてください。
《部位》
耳、口周り、指の間、首の下、ワキ、内股、肛門周り
シワがよったり、汚れやすかったり、ジメジメしやすい箇所ばかりですね‥
《症状》
- 痒がる
- 皮膚が赤い
- なんだかべとついている
- 酸っぱい臭いを伴う
- 象さんの皮膚のように分厚くてガサガサとしている(慢性化)
以上のようなことが思い当たれば、その子はマラセチア性皮膚炎の可能性が。。
診察ではテープをペタっとして顕微鏡で確認して、ほぼ診断が確定します。
治療として、カビを退治してあげなければなりません。
脂をしっかり落とし、カビを殺す成分を含むシャンプーがとても大事です。
ちなみに、月に一、二回はシャンプーしてるわよ、では足りないんです(T_T)
明らかな痒みや赤みが出ているときは、週2回の頻度のシャンプーで、スッキリさせてください。
加えて、塗り薬やお薬を飲むこともあります。
マラセチア性外耳炎なら、カビを殺す点耳薬や定期的な洗浄で治療します。
この病気に《なりやすい犬種》=皮膚が脂っぽい体質やシワが多い子がありますので、ご参考に。
シーズー、コッカースパニエル、キャバリア、プードル、ダックス、シェパード等
ブルドッグやパグ等
また、カビが異常増殖をするということは、アトピーや食物アレルギー、甲状腺機能低下症などの
他の病気をもっているせいで、皮膚免疫が落ちている事もあります。
再発を繰り返したり、慢性化する場合はこういった背景疾患の治療も必要なので、
長期間の通院が必要な子もいます。原因に応じた治療が必要になりますので、諦めずに頑張って診せに来てくださいね。
以上、カビ(マラセチア)のお話でした。
梅雨には衣類などのカビだけでなく、
ワンちゃんネコちゃんのカビにも気づいてあげましょう。
最後になりましたが、私小濵は、今月いっぱいで退職する運びとなりました。
1年5ヶ月と言う短い期間でかつ週1、2のパート勤務ではありましたが、
ここに来てくださる患者さまは皆、優しく我が子たちを愛し、温かく診察に向き合って下さることが印象的でした。
家庭の事情があり、皆さまと会えなくなることをとても残念に思います。
また他の場所で、元気なワンちゃんネコちゃんたちの姿をお見かけすることがあれば嬉しい限りです。
ご自愛くださいませ。
文面でのご報告となりましたこと、ご容赦下さい。
ありがとうございました。
――――飼い主さんと動物たちのえがおのために――――
京都府長岡京市
乙訓どうぶつ病院
~乙訓地域(長岡京市、向日市、大山崎町)、大原野、伏見、久御山、島本町~