犬猫の舌が白いのはチアノーゼ?|倒れる前に気づきたい病気のサイン
コラム
犬や猫の舌は、実は健康状態を映し出す大切な“鏡”です。
普段はピンク色をしているはずの舌が、白っぽく見えると「大丈夫かな?」と不安になりますよね。
一時的な変化で問題ないケースもありますが、ときには倒れたり、命に関わったりする病気のサインであることもあります。
そこで今回は、犬や猫の舌が白いときに考えられる原因から受診の目安までをわかりやすく解説していきます。

■目次
1.一時的に白く見えることも|正常なケースとは?
2.深刻な病気が隠れているケースとは?
3.舌が白いときに見られるその他の症状
4.受診の目安|すぐに病院へ行くべきサイン
5.動物病院で行う診断と治療の流れ
6.まとめ|舌の色は大切な健康のサイン
【一時的に白く見えることも|正常なケースとは?】
動物の舌の色は血流に大きく影響されます。
寒い場所に長時間居た場合や緊張や興奮で一時的に血流が変化すると、舌が普段より白っぽく見えることがあります。
このような場合でも、「しばらくすると元のピンク色に戻る」「元気や食欲があり、嘔吐やふらつきがない」といった特徴があれば、緊急性は低いことが多いです。
ただし、短時間で戻るはずの色がいつまでも白っぽいまま続く場合は注意が必要です。
【深刻な病気が隠れているケースとは?】
舌の白さが続く、あるいは体調の変化を伴っているときは、以下のような病気が関わっていることがあります。
<チアノーゼ>
血液中の酸素が不足すると、舌や歯ぐきが青白く変化します。これを「チアノーゼ」と呼びます。
心臓や呼吸器にトラブルがあると起こりやすく、倒れる、呼吸が苦しいといった深刻な症状を伴うことがあり、命に関わる緊急事態です。
<貧血>
赤血球の数が減り、その働きが弱くなると、酸素が十分に体に運ばれなくなります。その結果、舌や粘膜が白っぽく見えることがあります。
その背景にある原因は出血、免疫異常、寄生虫感染、慢性の腎臓病などさまざまです。重度の場合は息切れやぐったりする様子が見られます。
<低血糖>
特に小型犬や子犬・子猫に多いのが低血糖です。十分な栄養をエネルギーに変えられず、血糖値が急激に下がることで舌が白っぽくなることがあります。
ふらつき、震え、痙攣、最悪の場合は意識を失って倒れてしまうこともあるため、早急な処置が欠かせません。
【舌が白いときに見られるその他の症状】
舌の色の変化と一緒に、次のようなサインが見られる場合は要注意です。
・元気がなく、動きたがらない
・嘔吐や食欲不振
・歩くとふらつく
・呼吸が荒く、苦しそうに見える
・突然倒れる
これらの症状が出ているときは「ただの一時的な変化」とは考えにくく、病院での診察が必要になります。
【受診の目安|すぐに病院へ行くべきサイン】

飼い主様が「受診すべきかどうか」を迷うポイントを整理しました。次のような場合は、迷わず動物病院に連絡しましょう。
・舌の白さが長く続いている、繰り返している
・元気がなく、ぐったりして動かない
・倒れる、痙攣を起こす
・呼吸が苦しそう、荒い
・嘔吐や下痢を伴っている
これらはどれも緊急性が高いサインです。症状が軽いと感じても、自己判断せず早めの受診が安心です。
【動物病院で行う診断と治療の流れ】
動物病院では、舌の色の変化がどのような体調不良と関係しているのかを、段階を踏んで丁寧に調べていきます。
まずは問診や身体検査で全身の状態を確認し、必要に応じて血液検査で貧血や低血糖の有無を調べます。
さらにレントゲンや心エコー検査を行い、心臓や肺に異常がないかを詳しく確認します。
<治療の流れ>
診断の結果、「緊急性が高い」と判断される場合には、酸素吸入や点滴などで速やかに体を安定させる処置を行います。輸血が必要なケースでは迅速に対応し、貧血が原因であれば出血や免疫の異常に対する治療を進めていきます。
心臓病や呼吸器疾患が関わっている場合は、内科的治療や外科的治療を選択し、低血糖が疑われる場合にはブドウ糖の投与と食事管理を行います。
このように原因を見極めたうえで適切な治療を行うことで、命に関わるリスクをできるだけ早く取り除き、安心して回復へ向かえるようサポートしていきます。
【まとめ|舌の色は大切な健康のサイン】
犬や猫の舌が白いとき、すぐに元に戻るケースもあれば、チアノーゼや貧血、低血糖といった深刻な病気が隠れていることもあります。
「元気そうだから大丈夫」と見過ごしてしまうと、症状が急に悪化することもあります。舌の色や呼吸、食欲などに少しでも違和感があれば、早めの受診が安心につながります。気になるときは、どうぞお気軽にご相談ください。
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