犬や猫の体重減少に注意|元気や食欲があっても隠れた病気のサインかも
コラム
「食欲もあるし元気そうに見えるのに、最近ちょっと体が細くなってきた気がする」
そんな愛犬や愛猫の変化に、ふと気づいたことはありませんか?
元気そうに見えると、つい「大丈夫かな」と様子を見てしまうこともあるかもしれませんが、犬や猫の体重減少は、体の中で何か異変が起きているサインである可能性があります。
特に、「しっかり食べているのに体重が減っている」ときは、注意が必要です。
今回は、体重減少に気づくきっかけや、考えられる原因・病気、ご家庭でできる観察のポイント、そして動物病院での診察や治療について解説します。

■目次
1.犬や猫の体重減少に気づくきっかけ
2.食欲や元気があっても注意が必要なケース
3.体重減少につながる主な病気
4.ご家庭でできる観察ポイント
5.動物病院での診断と治療の流れ
6.まとめ|犬や猫の体重減少は早めに相談を
【犬や猫の体重減少に気づくきっかけ】
体重の変化は、毎日一緒に過ごしているからこそ意外と気づきにくいものですが、ふとした瞬間に「ちょっと痩せたかも?」と感じることがあります。
実際には、次のような場面で体の変化に気づくことが多いようです。
・体に触れたとき、背骨や肋骨が以前よりもはっきりわかるようになった
・抱っこしたときに、以前より軽く感じた
・定期的な体重測定で、数値が確実に減っていた
特に小型犬や猫の場合、わずかな体重の変化でも体に与える影響が大きいといわれていますので、数百グラムの減少でも見逃さずに気づいてあげることが大切です。
【食欲や元気があっても注意が必要なケース】
「しっかり食べているし、元気に走り回っているから大丈夫」と思ってしまうこともあるかもしれませんが、食欲があっても体重が減っている場合は、体の中で何か異常が起きているサインかもしれません。
たとえば、代謝が異常に高くなる病気や、腸で栄養をうまく吸収できない病気では、食べたものがきちんと体の栄養になっていないことがあります。
そのため、見た目には元気そうでも、内臓に負担がかかっていたり、じわじわと体力が落ちていたりすることもあります。
いつもと違うと感じたら、念のため一度、動物病院でチェックしてもらうことをおすすめします。
【体重減少につながる主な病気】
体重減少の背景には、さまざまな病気が隠れていることがあります。中でも、次のような病気が関係しているケースがよく見られます。
<内分泌疾患>
犬では糖尿病、猫では甲状腺機能亢進症が代表的です。
いずれも食欲はあるのに体重が減っていくという特徴があります。
▼糖尿病についてはこちらで解説しています
▼甲状腺機能亢進症についてはこちらで解説しています
<消化器疾患>
腸に炎症があったり、消化や吸収がうまくできなかったりすると、食べても栄養が十分に取り込めず、体重が減少します。
慢性的な下痢や嘔吐をともなうこともあります。
▼急性胃腸炎についてはこちらで解説しています
<腎臓病や肝臓病>
内臓の働きが落ちることで、体に必要な栄養が行き渡らなくなり、じわじわと痩せていくことがあります。
特に初期は目立った症状が出にくく、体重の減少が最初のサインになることもあります。
<腫瘍(がん)>
体の中で腫瘍がエネルギーを消費するため、見た目は元気でも、徐々に体重が減っていくことがあります。
シニア期の犬や猫では特に注意が必要です。
【ご家庭でできる観察ポイント】

体重の変化とあわせて、日頃から次のような点にも目を向けておくことで、早期に体調の異変に気づきやすくなります。
◆ 食欲や飲水量の変化
食べる量が急に増えたり減ったりしていないか、水を飲む量が極端に多くないかなどに注意しましょう。
◆ 排泄の状態や回数
便や尿の色・におい・形状、回数の変化なども、健康状態を知る大切なサインです。
◆ 被毛や皮膚の状態
毛づやが悪くなったり、皮膚が乾燥している・かゆがっているなどの変化にも気を配りましょう。
◆ 活動量や性格の変化
遊ぶ時間が減った、寝てばかりいる、以前よりも甘えなくなった・怒りっぽくなったなどの行動変化も、体の不調と関係していることがあります。
こうした「ちょっとした変化」も、日付と一緒にメモしておくことで、動物病院での診察時にとても参考になります。
普段から気になる様子があれば、無理のない範囲で記録をつけておくと安心です。
【動物病院での診断と治療の流れ】
体重の減少が見られたときは、原因を調べるために動物病院での検査が必要になります。
診察では、次のような流れで体の状態を詳しく確認していきます。
◆ 身体検査・問診
まずは飼い主様から生活環境や症状の変化についてお話をうかがい、全身の状態を丁寧に確認します。
触診や聴診を通じて、見た目ではわかりにくい異常がないかをチェックします。
◆ 血液検査・尿検査
血液や尿の状態から、内臓の働きやホルモンのバランスを確認する基本的な検査です。
糖尿病や腎臓病などの早期発見につながることもあります。
◆ 画像検査(レントゲン・エコーなど)
レントゲンや超音波検査(エコー)を使って、臓器の大きさや形、腫瘍の有無などを確認します。
外からは見えない異常を見つけるために重要な検査です。
<治療について>
検査の結果に応じて、以下のような治療方法が検討されます。
・食事療法:消化しやすく、栄養バランスの整った食事に変更します
・内科治療・投薬:代謝や内臓の機能をサポートする薬を使います
・外科手術:腫瘍や重大な疾患が見つかった場合、手術が必要になることもあります
特に代謝の異常や内臓の病気は、早期発見・早期治療が予後に大きく関わります。
気になる体重減少がある場合は、なるべく早めに診察を受けるようにしましょう。
【まとめ|犬や猫の体重減少は早めに相談を】
体重の減少は、見た目ではわからない体の異変が始まっているサインかもしれません。
特に、食欲があるのに痩せていく場合や、わずかながら体つきが変わってきたと感じるときは、なるべく早めに動物病院で診てもらうことが大切です。
少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
飼い主さんと動物たちのえがおのために
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