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犬の睡眠障害とは?夜鳴きや不眠の原因と対処法を獣医師が解説

コラム

「夜中になると愛犬が鳴き止まない」「ずっと部屋の中をウロウロしている」「家族も寝不足で限界……」
シニア犬と暮らす飼い主様から、こうした切実なご相談が増えています。

まずお伝えしたいのは、これらは決して「わがまま」や「しつけの問題」ではないということです。
高齢になった体や脳に起こっている、何らかの「不調」のサインかもしれません。

今回は、獣医師の視点から犬の夜鳴き・睡眠障害の原因と具体的な対処法について解説します。飼い主様と愛犬の穏やかな生活のために、対処法を一緒に探していきましょう。

■目次
1.犬の夜鳴き・睡眠障害の主な原因
2.動物病院を受診すべきタイミングはいつ?どんな症状が出たら?
3.乙訓どうぶつ病院でできる検査と診療の流れ
4.薬・サプリ・ケアでできること
5.ご家庭で試せる睡眠サポート|環境づくりと行動ケア
6.まとめ|夜鳴きは気合いで解決しようとせず、動物病院へ

 

【犬の夜鳴き・睡眠障害の主な原因】

ご近所への配慮やご自身の寝不足から、「一刻も早く犬の夜鳴きをやめさせたい」と焦りや不安を感じられている飼い主様も少なくないでしょう。
夜鳴きや不眠などの行動は、その理由を探ることが解決への第一歩です。

実は犬も人間の赤ちゃんの夜泣きと同じように、言葉にできない不安や不調を夜間に訴えることがあります。
特に老犬の睡眠障害や夜鳴きは、加齢に伴う「体」や「心」の変化が複雑に絡み合って起こるため、原因が一つではない場合も珍しくありません。

 

<認知機能不全症候群(犬の認知症)>
シニア犬の夜鳴きで最も多く疑われるのが、いわゆる「認知症」によるものです。
脳の神経細胞が加齢とともに変化することで、さまざまな障害が現れます。

昼夜逆転:昼間はずっと寝ていて、夜になると目が覚めて活動的になる。
場所の見当識障害:部屋の隅や家具の隙間に入り込み、動きづらくなって鳴く。
睡眠覚醒リズムの乱れ:脳内の神経伝達物質の変化により、睡眠を維持できなくなる。

認知症による夜鳴きは、単調なリズムで鳴き続けたり、今までに聞いたことがないような大きな声で吠えたりするのが特徴です。

▼認知症についてはこちらで解説しています

 

<体の痛み(関節・脊椎・内臓の不快感)>
夜鳴きの原因として見落とされがちなのが「痛み」です。犬は痛みに強い動物と言われますが、決して痛みを感じていないわけではありません。

関節炎・変形性脊椎症:寝返りを打つたびに腰や足が痛み、目が覚めてしまう。
歯周病:口の中の痛みや不快感で熟睡できない。
腹痛:消化器の不調や膀胱炎などの不快感。

中には、痛くてじっとしていられないがために、夜中にウロウロと歩き回る(徘徊する)子もいます。

 

<不安・分離不安>
視力や聴力が低下してくる老犬は、周囲の状況が把握しにくくなり、強い不安を感じやすくなります。
真っ暗な部屋で一匹になると、「ここがどこか分からない」「飼い主様がどこにいるか分からない」という恐怖からパニックになり、落ち着かず鳴き叫んでしまうことがあります。
これは、視覚・聴覚・嗅覚などの感覚が低下することにより、環境認識が困難になる老犬に多く見られる変化で「老齢性分離不安」と呼ぶこともあります。

 

<心臓病・呼吸器病による「苦しさ」>
夜、横になると咳が出たり、ハアハアと呼吸が荒くなったりすることはありませんか?
僧帽弁閉鎖不全症などの「心臓病」や気管虚脱などの「呼吸器疾患」があると、横になることで胸が圧迫されたり、肺に水が溜まる影響が出やすくなったりして、息苦しさを感じます。
「苦しくて眠れない」「座っている方が楽」という状態のため、夜中ずっとお座りをしていたり、落ち着きなく動き回ったりすることがあります。
これは命に関わるサインである場合もあり、特に注意が必要です。

▼僧帽弁閉鎖不全症についてはこちらで解説しています

 

【動物病院を受診すべきタイミングはいつ?どんな症状が出たら?】

日々のケアで飼い主様が「しんどい」と感じているなら、それは迷わず動物病院を頼るべきタイミングです。
また、夜鳴きや不眠は「年をとったから仕方がない」で済ませてはいけない問題でもあります。

 

<受診の目安となるサイン>
以下のような様子が見られる場合は、背景に治療が必要な病気が隠れている可能性があり早めの受診を推奨します。

・夜中に何度も起きてウロウロする
・夜になると呼吸が荒くなる、咳が増える
・日中の活動量が極端に減り、夜だけ元気がない(または興奮する)
・抱っこや体に触れるのを嫌がるようになった
・家具の隙間に挟まって動けなくなることが増えた
・壁に向かってずっと立っている、または旋回運動をする(くるくる回る)

特に「今まで穏やかだった子が急に夜通し吠えるようになった」や「突然攻撃的になった」といった急な変化が見られた場合は、脳腫瘍や急性的な痛みが原因の可能性もあります。なるべく早めに動物病院へご相談ください。

気になる様子は動画を撮って診察時に見せていただくと、より正確な診断につながります。

 

【乙訓どうぶつ病院でできる検査と診療の流れ】

当院がある乙訓・長岡京エリアでも、長く連れ添った高齢の愛犬と暮らす飼い主様は多く、夜鳴きや睡眠に関するご相談は後を絶ちません。
私たちは、夜鳴きを単なる「老化現象」として片付けるのではなく、「その子の安眠を妨げている原因は何か?」を獣医学的に突き止めることを大切にしています。

 

<検査・診断方法>
当院では、飼い主様への詳細な問診にくわえ、以下のような検査を組み合わせて原因を探ります。

身体検査・整形学的検査
触診で関節の可動域や背骨の痛みをチェックします。「ここを触ると嫌がる」といった反応から、痛みの原因を特定します。

 

血液検査・ホルモン検査
内臓機能の低下にくわえ、必要に応じて「甲状腺機能低下症」などのホルモン異常が隠れていないかを確認します。これらは睡眠リズムの乱れや無気力、寒がりといった不調を引き起こす大きな要因となります。

 

レントゲン検査
関節や脊椎の変形だけでなく、心臓の大きさや肺の状態を確認し、夜間の息苦しさの原因がないかを調べます。

 

超音波(エコー)検査
レントゲンだけでは分からない臓器の内部構造を詳しく観察します。特に老犬に多い心臓病の進行度や、お腹の中の腫瘍・炎症の有無などを確認します。

 

認知症の評価
専門的な診断基準をもとに、飼い主様からご自宅での様子を詳しくうかがい、単なる老化なのか、治療が必要な脳の変化なのかを慎重に判断します。

 

<犬の「睡眠」は総合的なアプローチで改善へ>
検査によって根本原因が特定できたら、その子に合わせた具体的な治療やケアへと進みます。

・痛みがある場合:関節痛などを和らげる疼痛管理
・心臓や呼吸器の病気:呼吸を楽にするための内科的治療
・認知機能の低下:脳のケアや生活環境へのアプローチ

当院では、痛み・認知症・内科疾患など、背景にある病気を含めて総合的に診る体制を整えています。
原因に合った治療を行ったことで、「久しぶりに朝まで寝てくれた」と安堵される飼い主様も多くいらっしゃいます。

 

【薬・サプリ・ケアでできること】

また、お薬やサプリメントの力を借りることも重要な選択肢です。
「このようなことで薬を飲ませるのは抵抗がある」という飼い主様もいらっしゃいますが、適切な投薬は愛犬の「苦痛」や「不安」を取り除き、QOL(生活の質)を守るために役立ちます。

 

<痛みのコントロール(鎮痛薬)>
検査で関節炎などの痛みが見つかった場合、痛み止め(鎮痛薬)を使用します。
「夜鳴きの原因が実は痛みだった」というケースは多く、痛みを取り除くだけで驚くほど穏やかに眠れるようになることもあります。

 

<認知症ケアのサプリメント・薬>
脳の血流を改善するサプリメントや、オメガ3脂肪酸などの抗酸化作用のある成分を含むフードを取り入れることで、進行を緩やかにしたり、症状を緩和したりすることが期待できます。

 

<睡眠導入剤・抗不安薬>
不安が強くパニック状態になる場合や、昼夜逆転が激しい場合には、睡眠導入剤や抗不安薬を使用することもあります。
これは単に「眠らせる」だけでなく、興奮による体力の消耗を防ぎ、ストレスを軽減させるという意味でも有効です。

当院では、その子の状態に合わせて、副作用の少ないものから慎重に選択・調整していきます。

 

【ご家庭で試せる睡眠サポート|環境づくりと行動ケア】

病院での治療と並行して、ご自宅の環境を見直すことで睡眠の質が改善することもあります。
目指すのは「不眠や夜鳴きをゼロにすること」ではなく、「飼い主様と愛犬の負担を減らすこと」です。完璧を目指さず、できることから試してみましょう。

 

<安心できる寝床づくり>
老犬は体温調整を苦手としています。室温は適温か、ベッドは寝心地が良いかを見直しましょう。
床ずれ防止マットなどの高反発の寝具は、寝返りのしやすさを助け、関節痛の緩和にも役立ちます。
また、挟まり防止のために、サークル内を円形にするなどの工夫も有効です。

 

<光のコントロールと常夜灯>
感覚が衰えた老犬にとって、真っ暗闇は恐怖の対象になり得ます。豆電球や足元灯をつけ、薄明かりにしておくことで不安が和らぐことがあります。

逆に昼間は、窓際で日光浴をさせたり、カートに乗せて外の空気を吸わせたりして「今は昼だ」と脳に認識させましょう。
体内時計(概日リズム)を整えることが、夜の睡眠誘導につながります。

 

<日中の刺激と運動>
足腰が弱ると散歩を控えがちですが、日中の刺激不足は昼間の睡眠時間を長くし、夜間の不眠を招きます。
無理に歩かせなくても構いません。抱っこで外に出る、匂いを嗅がせる、知育トイで遊ぶなど、脳に適度な疲労感を与えることで、夜ぐっすり眠れるようになるケースもあります。

 

<飼い主様の睡眠を守る工夫>
飼い主様が倒れてしまっては、愛犬のケアもできなくなります。
「一緒に寝ないと可哀想」と思わず、夜鳴きがうるさいと感じられた時は部屋を分けたり、遮音性の高い部屋で寝かせたりすることも検討してください。
ご家族で交代でケアをするなど、お一人で抱え込まない体制づくりも大切です。

 

【まとめ|夜鳴きは気合いで解決しようとせず、動物病院へ】

愛犬の介護、毎晩の夜鳴きの対応、本当にお疲れ様です。
責任感の強い飼い主様ほど、「最後まで自分が面倒を見なければ」「うるさくしては申し訳ない」と、一人で抱え込んでしまいがちです。
しかし、夜鳴きや不眠は、気合いや愛情だけで解決できるものではありません。背景には、治療することで楽になる「病気」や「痛み」が隠れていることが多々あります。

乙訓どうぶつ病院では、老犬の夜鳴き、不眠、徘徊といったお悩みに対して、獣医学的なアプローチでサポートを行っています。
「こんなことで病院に行ってもいいのかな?」と迷う必要はありません。飼い主様と愛犬が穏やかな夜を取り戻せるように、ぜひ一度ご相談ください。
その子とご家族にとって一番良い方法を一緒に考えていきましょう。

 

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