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症例紹介

慢性気管支炎

呼吸器科

【病態】

気道は通常、正常な線毛運動(異物を外に運び出す運動)や正常な粘液分泌および効率的な換気など、肺の防御機構で保護されています。慢性気管支炎とは2ヶ月以上継続する執拗な咳を特徴とする疾患です。慢性的な気管支の炎症によって気道に障害が生じた場合、リモデリング(組織再構築)によって気道壁が肥厚し、気管支の内腔が狭くなることで病態がさらに悪化します。進行すると慢性閉塞性肺疾患(COPD)や、気管支拡張症が生じることもあります。

また、病期が進行して初めて検知されるため、慢性気管支炎の原因はほとんど解明されていないのが現状です。人と同様に、大気汚染、受動喫煙や気道感染などが原因と考えられています。
テリア、プードルおよびコッカー・スパニエルなど中齢以上の小型犬種でよく見られます。

【症状】

2ヶ月以上継続する慢性的な咳が特徴的な症状です。慢性気管支炎が急に悪化すると、痰を吐き出すような咳の増加や発熱が認められることもあります。

【診断・治療】

主に症状および慢性的な咳を呈する他の疾患を除外することで診断します。

X線検査では、気管支壁の肥厚や気管支周囲の間質影が認められることがあります。また、気管支鏡検査にて気道の慢性炎症および、粘稠性の高い分泌物が観察されます

診断基準

  1. 2ヶ月以上継続する慢性咳嗽
  2. 粘液または粘液性膿汁分泌過剰
  3. ほかの慢性呼吸疾患を除外

除外するべき重要な鑑別疾患

心疾患、慢性の細菌性肺炎、肺腫瘍、異物による気管支炎、過敏性気道疾患
犬糸状虫症、肺の寄生虫、真菌性肺炎、嚥下障害や巨大食道症

 

慢性気管支炎を起こす要因を同定することはほぼ不可能なため、治療は内科的治療が一般的です。個々の動物の問題の性質および重症度を評価した上で、気道閉塞と炎症の軽減のために以下の治療を選択します。

  1. 悪化要因の回避および減量
  2. 気道閉塞と炎症の軽減
    抗炎症薬
    気管支拡張薬
    去痰薬
  3. 咳のコントロール
  4. 感染のコントロール
  5. 酸素療法

 

【予後】

慢性気管支炎による気道の解剖学的構造の変化は容易には回復しません。室内での禁煙を徹底したり、汚染物を除去することで気道の炎症をコントロールすることができ、原因物質からの暴露が減少すれば改善すると考えられます。一般的に、慢性気管支炎が急激に悪化するような症状が年2回以上認められると予後不良とされています。