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気管支拡張症

呼吸器科

【病態】

気管支拡張症は、気管支が長く炎症を起こすことでその壁が弱くなり、正常な形を保てなくなる病気です。

本来、気管支は呼吸によって空気を肺に運ぶ大切な通り道ですが、これが広がってしまうと、細菌やウイルスなどの感染物質が溜まりやすくなります。これにより、炎症がさらに悪化して、症状が進行してしまうことがあります。

 

この病気は一度進行すると元に戻すのが難しくなり、長い間、動物の呼吸を苦しくさせる慢性的な病気です。

また、慢性的な呼吸器感染症と深く関わることもあります。

 

気管支拡張症は、中〜高齢の犬や猫でよく見られます。

原因には、生まれつきのものや、慢性の気管支炎や肺炎、アレルギー、寄生虫感染などの後天的なものがあり、原因がはっきりしない場合も少なくありません。

 

【症状】

気管支拡張症になると、さまざまな症状が見られるようになります。初期の段階では軽い症状が多いですが、病気が進行するにつれて症状が重くなりがちです。

代表的な症状をいくつかご紹介します。

 

慢性的な咳:気管支拡張症の最も一般的な症状が咳です。この咳は湿っぽく、時にはえづくような仕草がみられることもあります。

 

息切れ:少しの運動や、興奮しただけで呼吸が速くなり、息が荒くなることがあります。

 

喘鳴(ぜんめい):気管支の異常が原因で、呼吸の際に「ヒューヒュー」や「ゼーゼー」といった音が聞こえることがあります。

 

元気がない:呼吸が苦しくなると、遊びや運動を避けるようになり、活発さが失われることもあります。

 

また、長期間にわたる咳や息切れが続くことで、体重が減ったり食欲が落ちたりすることもあります。

 

これらの症状は、季節や環境の変化で悪化することがあり、特に湿気の多い夏や寒い冬に症状が強く出やすいです。

症状が長く続くため、飼い主様が「年齢のせい」と思って見過ごしてしまうこともありますので、注意が必要です。

 

【診断・治療】

<診断方法>

気管支拡張症の診断には、飼い主様からのヒアリングと検査が欠かせません。

まずは、ご自宅での様子や発症時期、咳の続く時間などについてお話を伺い、診察を進めていきます。その後、症状に合わせて以下のような検査が行われます。

 

血液検査:感染や炎症の有無、全身の健康状態を確認します。血液中の白血球数が増えている場合、気管支炎や肺炎などの感染症が疑われます。

 

胸部X線検査X線画像で拡張した気管支が確認されることが多いですが、異常が見つからない場合もあります。

また、肺炎など気管支拡張症の原因となるような他の肺の異常も確認することができます。

 

気管支鏡検査:気管支の内部を直接観察するための内視鏡検査です。気管支の状態や炎症、粘液の量を確認することができ、気管支拡張症の原因を突き止めることができる場合もあります。検査には全身麻酔が必要です。

 

CT検査:気管支の状態をより詳細に確認するための検査で、気管支拡張や炎症の有無、位置などを把握できます。こちらも全身麻酔が必要となります。

 

<治療法>

気管支拡張症は完全に治すのが難しい病気ですが、症状をコントロールし、病気の進行を遅らせる治療が行われます。また、原因疾患が特定できた場合は、その治療も並行して行います。

 

抗炎症薬:気管支の炎症を抑えることで、呼吸を少しでも楽にします。

 

抗生物質:細菌感染がある場合に使われ、感染を治療します。特に慢性的な気管支炎を伴う場合には、抗生物質が必要になることが多いです。

 

去痰薬:気管支に溜まった痰を排出しやすくする薬で、これにより呼吸が楽になり、咳の軽減にもつながります。

 

気管支拡張薬:気管支を広げることで呼吸を楽にし、咳を和らげるために使われます。特に気道の収縮が原因で呼吸が困難な場合に有効です。

 

免疫抑制剤:免疫反応を抑えることで炎症をコントロールし、病気の進行を防ぎます。慢性的な炎症が強い場合に使用されることがあります。

 

環境の調整:気管支に負担をかける刺激を減らすために、空気清浄機の使用や湿度の調整が効果的です。

特に、タバコの煙や花粉、ダニ、カビなどのアレルゲンを避けることが大切です。

 

また、定期的な健康診断を受けることも重要です。症状がなくても年に一度は検診を受け、早期発見と早期対応を心がけることで、愛犬や愛猫の健康を守ることができます。

 

【予後】

気管支拡張症は元に戻ることはなく、完治が難しい病気です。予後は原因疾患、気管支拡張症の進行度、また治療への反応性によって異なります。

早期に発見し、進行を抑えることができるかどうかが、生活の質を維持するポイントになります。

 

そのためにも、予防として定期的なワクチン接種や寄生虫予防、歯科ケアが大切です。特に、お口の中を健康に保つことで、感染のリスクを減らし、気管支への負担を軽くすることが期待できます。

 

ただし、治療をせずに放置すると、病気が進行して気管支の機能が大きく低下し、呼吸が苦しくなることがあります。特に高齢の場合や、ほかの持病を持っている場合は、早めの発見と治療がとても重要です。

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