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症例紹介

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

呼吸器科

【病態】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は慢性気管支炎など、呼吸の気流が悪化する病気の続発症として生じ不可逆的な気流閉塞を伴う疾患です。また気道が炎症を起こし、肺胞壁が破壊されると肺気腫や気胸が生じることがあります。

 

【症状】
気流の閉塞や肺内へのガス貯留によってガス交換が困難なため、努力性の呼吸が特徴的な症状です。呼気時には肺から空気が排出しづらくなることで徐々に肺が過膨張し、横隔膜の呼吸筋を圧迫して腹式呼吸を呈します。

【診断】
人では肺機能検査によって気流閉塞を定量化してCOPDを診断します。

動物では残念ながら肺機能検査が一般的には実施不可能なため、臨床所見とX線検査所見および血液ガス分析所見に基づいて診断します。X線検査では、呼気時に肺内にガスが蓄積し、肺野の過膨張が認められることがあります。

動物では診断基準がまだ確立されていませんが、以下の基準が推奨されています。

診断基準

  1. 2ヶ月以上継続する慢性咳嗽または呼気努力
  2. PaCO2 > 40 mmHg
  3. PaO2 < 70 mmHg

また、人とは異なり気流閉塞を定量化する手法が存在しないため、X線検査で認められる慢性気管支炎の所見および肺の過膨張所見も鑑別の為に重要です。

【治療】
基本的には慢性気管支炎の治療に準じます。

急性増悪期
急性増悪期の治療目的は、現在の増悪による影響を最小限にすることと、その後の増悪の再発を予防することです。人では、COPDの増悪に関して最も多い原因は気道感染(ウイルス性または細菌性)と考えられています。

  1. 酸素療法
  2. 気管支拡張薬
  3. 抗炎症薬
  4. 抗生物質

安定期
安定期の治療目的は、現在の症状および将来のリスクを軽減することです。

  1. 危険因子の特定と暴露の抑制(タバコの煙など)
  2. 適度な運動
  3. 気管支拡張薬

【予後】
COPDでは定期的な経過観察は必要不可欠ですが、残念ながらいくら最善のケアを実施しても肺機能は徐々に悪化すると考えられています。
人では、5年生存率は軽度の気流閉塞で90%、中等度の気流閉塞で80%、高度の気流閉塞では60%だと報告されていますが、動物でははっきりわかっていないのが現状です。