糖尿病|動物病院をお探しなら、長岡京市にある乙訓どうぶつ病院へお任せください。

症例紹介

MENU
tel:0759583933
診療時間
9:00~12:00
13:00~15:00
16:00~19:30
受付時間
各診療終了30分前まで
休診日
土曜昼・日曜午後・祝日

糖尿病

泌尿器科

【病態】

糖尿病とは、膵臓で作られる「インスリン」という血糖値を下げる働きを持つホルモンの分泌量の不足や、インスリンに対する抵抗性 (インスリンの効き目が悪くなる)が原因で、血液中のブドウ糖の濃度が高くなる病気です。

細胞内に取り込めきれなかったブドウ糖が尿中に排泄されるため、「糖尿病」と呼ばれます。

 

また、糖尿病は大きく分けて1型と2型、2つのタイプがあります。

1型は、自己の免疫が、インスリンを産生する膵臓のβ細胞を攻撃してしまうため、十分なインスリン量を体内で分泌ができません(=1型糖尿病)。病態がインスリン量に依存するため、以前は「インスリン依存型糖尿病」とも呼ばれていました。

 

2型は、インスリンは正常に膵臓から分泌されているけれども、乱れた食生活、生活習慣、肥満やストレスなどからインスリンに対する抵抗性を獲得してしまいます (=2型糖尿病)。

 

病気の名前に「糖」という文字が入っていますが、必ずしも糖分の摂り過ぎだけが原因ではありません。

犬では、人の1型糖尿病に近いタイプがほとんどと言われており、生涯にわたるインスリン投与が必要となる場合があります。

反対に、猫の糖尿病は人のⅡ型糖尿病に近く、適切な食事管理やダイエットを行うことで将来的にインスリン投与が不要となる可能性もあります。

 

【症状】

糖尿病になると血液中のブドウ糖濃度が高くなり、やがて尿中にも糖が混じるようになります。

血管内のブドウ糖濃度が上昇し、血管外(組織)との濃度の差が生じるため、その濃度差を是正するため(組織の)細胞から水分を血管内に引き込もうとします。 そうなると、血管内の水分が増え、からだは増加した水分を尿として排泄しようとするため多尿がおこります。

 

糖尿病は細胞に十分な栄養源を取り込めないため、体内の細胞は常に飢餓状態となります。

そして体内の細胞の飢餓状態が続くと、栄養を摂取しようとするため食欲が高まります。

しかし、糖尿病は依然として存在するため十分な栄養源を取り込めず、脂肪や筋肉の量が徐々に減少して痩せていってしまいます

 

また、糖尿病が進行すると、糖尿病性ケトアシドーシスという非常に危険な状態になる場合があります。これは、体内にケトン体が増加することで、体内が酸性に傾き、吐き気、嘔吐、意識状態の低下が見られ、命を落とすこともあります

 

なお、糖尿病は糖代謝が原因で白内障を続発させてしまうことも多くあります。

糖尿病に続発する白内障は一度発症してしまうと治療が困難なため、白内障になる前にコントロールをして、発症のリスクを下げることが大切です。

 

白内障についての記事はこちらから

 

【診断・治療】

多飲多尿の症状や食欲があるのに体重が減少しているなど糖尿病でよく見られる症状がある場合は、糖尿病を疑って以下の検査を行います。

 

血液検査
糖尿病の診断、治療経過を追っていくために血液検査は必須です。

正常は犬の血糖値は70〜130mg/dL、猫の血糖値は75〜150mg/dL程度ですが、糖尿病では血糖値の高値が見られます。

また、血液中の中性脂肪が高値となる高脂血症、低ナトリウム、高カリウムが見られることもあります。

 

尿検査
尿を採取して、尿中に糖が含まれていないかを確認します。

 

上記検査以外にも、全身状態の把握やインスリン抵抗性の原因となっている基礎疾患、膵炎、膀胱炎などを併発していないかなどを検査するため、レントゲン検査やエコー検査を実施することもあります。

 

治療に関しては、犬の糖尿病は体内のインスリンが絶対的に不足している1型糖尿病に近い病態であることがほとんどのため、ご自宅で飼い主様にインスリンの注射を行っていただきます

犬や猫に使用可能なインスリン製剤にはいくつかの種類がありますが、犬猫の症状や飼い主様のライフスタイルなどに合わせて適切な種類を選択します。(インスリン製剤は基本的に1日2回注射する必要があります。)

メスの犬は発情後に血糖値が高くなる「発情後高血糖」になることがあり、その場合は治療として避妊手術が必要となります。

 

食事療法として、糖尿病療法食による食事管理 (低脂肪、高繊維質)も重要となります。

繊維質には食事後に急激に血糖値を上昇させない効果があるため、糖尿病の治療に非常に効果的です。

 

猫の糖尿病の中には、食事管理や肥満の改善を行うことで、インスリンの治療が必要なくなる場合もあります。また、糖尿病が早期に診断され、身体のインスリン分泌能力が回復する見込みのある段階で適切な治療を行った場合にも、外部からのインスリン補充が必要なくなることがあります。

しかしながら、状態が悪くなってから来院することも多いため、最終的にインスリンから離脱できる猫は少ないようです。猫の体調の変化に気付いたら、早めに動物病院を受診し、早期の治療を行うことが大切です。

 

【予後】

糖尿病治療は一生涯継続することが基本であると理解することが大切です。

獣医師の指示に従ってインスリン治療や食事療法を適切に行い血糖値をコントロールできれば良好な予後が期待できます。

 

一方で、血糖値をコントロールできずに糖尿病が進行すると、糖尿病性ケトアシドーシスに進行する可能性があり、命を落とす危険性もあります。

ご自宅では愛犬や愛猫の飲水量やおしっこの量、体重などを注意深く観察し、異変を感じたら早めに動物病院を受診するようにしましょう。

 

当院の泌尿器の症例紹介はこちらから

WEB予約はこちら