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急性喉頭炎

呼吸器科

【病態】

喉頭とは、人でいうと「のどぼとけ」と呼ばれる場所に存在する、口と食道の間に位置する部位です。声を出すための声帯という部分を含み、気管の入口にあたります。なお、気管から先は下気道と言われ肺に繋がっています。

 

猫は喉頭への刺激に対する感受性が犬よりかなり高く (猫の喉頭はかなり繊細です)、猫ヘルペスウイルスや猫カリシウイルスなどのウイルスやBordetella bronchisepticaなどの細菌感染が原因となり、喉頭粘膜に急性炎症が生じる上部気道疾患が急性喉頭炎です。

それ以外の原因としては、全身麻酔をかけた時の気管チューブの物理的刺激、刺激性ガスの吸い込みなどがあります。

 

多くの人が風邪を引いた際に喉が腫れて痛む経験をしたことがあると思いますが、これは人間の喉頭炎の症状です。猫の喉頭炎も、喉の腫れと痛みが特徴的ですが、初期段階では目立つ症状が少ないため、飼い主様が異変に気付く頃には症状が進行してしまっていることがしばしばあります。

 

また、犬の喉頭炎は急性喉頭炎・慢性喉頭炎というように発症からの期間により急性と慢性に大別されますが、猫の喉頭炎は発症率が高く臨床的にも特徴のある疾患なので、急性・慢性に関わらず、腫瘍や喉頭麻痺が除外された猫の喉頭の炎症性疾患を「猫の炎症性喉頭疾患(ILD)」と呼ぶほど注目されている病気です。

 

【症状】

猫の急性喉頭炎は下記のような初期症状が見られます。

 

・発熱
・食欲がない
・苦しそうに呼吸をする
・よだれが出る
・鳴き声がかすれたり、声が出ない
・咳や痰が増える
・喉頭粘膜の発赤 など

 

症状が進行して重症化すると、呼吸困難、誤嚥性肺炎、肺水腫 (肺に水がたまる)なども併発して、より治療が困難となります。

上記の症状と似た症状を示す疾患として、喉頭麻痺や喉頭腫瘍などがあるため、しっかりと鑑別することが大切です。

 

【診断・治療】

猫の急性喉頭炎の診断には、通常、問診、身体検査、そしてX線検査が用いられます。しかし、より精密な診断をするためには、全身麻酔のもとで内視鏡検査や病理組織検査を行うことが必要になります。

 

診断の具体的なプロセスとしては、まず、ご自宅での様子や症状、病歴、そして身体検査の結果から急性喉頭炎の可能性が疑われた場合、頚部のX線検査を通じて喉頭の形状や、吸気および呼気時の動きを確認します。さらに、喉頭を直接観察し、粘膜の腫れや浮腫、炎症の有無をチェックします。

 

これらの検査によって急性喉頭炎の診断を大まかに行うことができますが、検査結果から喉頭腫瘍や喉頭麻痺の疑いがある場合には、全身麻酔下で内視鏡検査を行って喉頭の状態を詳しく評価し、喉頭の組織サンプルを採取して外部の病理検査に依頼して確定診断を下すこともあります。

 

治療に関しては、ウイルスや細菌感染が原因の場合、インターフェロンを使用した免疫療法やネブライザー、抗生物質、消炎鎮痛剤を用いて喉頭の炎症を抑制します。喉が腫れて呼吸困難を引き起こしている場合には酸素吸入を行い、長期間食事を摂取できない場合には胃瘻チューブを用いた栄養管理を施します。

 

【予後】

早期に適切な治療を行い、炎症を効果的にコントロールすることができれば、良好な予後が期待できます。

しかし、治療が遅れると呼吸困難、誤嚥性肺炎、肺水腫などの深刻な病態が発生し、命の危険もあるため、多くの場合は入院下で治療を行います。

また、長期間フードを食べていない場合、慢性的な栄養失調の問題が生じることもありますので、単なる喉の痛みと軽視せず、迅速に適切な治療を受けることが重要です。

 

初期症状だけでは中々気づかない場合もあるので、猫の健康状態に少しでも変化を感じたら、動物病院にご相談ください。

 

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