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猫がよく吐くのはなぜ?|食後の嘔吐や毛玉以外に考えられる原因とは

コラム

「食べた直後に毎回吐いてしまう……」「毛玉かなと思っていたけれど、なんだか最近は頻繁すぎる気がする」
そんな様子が続くと、飼い主様としては心配になりますよね。

とはいえ、「猫はよく吐くもの」と聞いたことがあると、「少し様子を見てみようかな」と判断されることもあるかもしれません。

ただし、吐く回数が以前より増えている場合や、吐いたあとに元気がなかったり、食欲が落ちたりしている場合は注意が必要です。
もしかすると、体調に何らかの異変が起きているサインかもしれません。

そこで今回は、猫が吐いてしまう主な原因と、動物病院を受診した方がよいタイミングについて解説します。

■目次
1.「猫は吐きやすい」は本当?
2.猫が吐く主な原因とは?
3.観察しておきたい「嘔吐の内容と頻度」
4.こんな場合は、早めの受診を
5.受診前にできること・伝えてほしい情報
6.まとめ|「吐くこと」は、猫からの大切なサイン

 

【「猫は吐きやすい」は本当?】

「猫は吐きやすい動物」と聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
実際に猫は、胃から食道へと逆流しやすい体の構造をしており、もともと嘔吐しやすい動物とされています。
そのため、次のようなケースでは、生理的な現象として見なされることもあります。

毛玉を吐く
日常的なグルーミングで飲み込んだ毛が胃の中にたまり、まとまって吐き出されるものです。
特に長毛種の猫では、毛玉を吐く頻度が高い傾向があります。

 

早食いによる吐き戻し
ドライフードを勢いよく食べたあと、すぐに吐いてしまうケースです。
噛まずに飲み込むタイプの猫に多く、未消化のフードがそのまま吐き出されることがあります。

このような嘔吐は、たまに見られる程度であれば、基本的には大きな問題はないとされています。

しかし、週に何度も吐く場合や、吐いたあとに元気がない場合は、消化器疾患や内臓の病気が隠れている可能性も考えられます。

 

【猫が吐く主な原因とは?】

猫が吐いてしまう原因には、毛玉や早食いなどの一時的なものもあれば、体の中で進行している病気が関係しているケースもあります。
特に吐く頻度が高くなっているときは、以下のような消化器の異常や全身疾患の可能性も考えられます。

胃腸炎(急性・慢性)
ウイルスや細菌の感染、あるいは食べ慣れないものを食べてしまったことで胃腸に炎症が起こり、嘔吐につながることがあります。
急性胃腸炎の場合は、突然の激しい嘔吐や下痢が見られるのが特徴です。一方で、慢性胃腸炎では、長期間にわたる吐き気や体重減少、食欲の低下が起こることもあります。

▼急性胃腸炎についてはこちらで解説しています

 

食物アレルギー
牛肉・鶏肉・魚・乳製品など、特定の食材に体が過敏に反応してしまうことで、嘔吐や下痢、皮膚のかゆみなどの症状が現れることがあります。
同じフードを長く食べていたとしても、突然アレルギー反応が出ることもあるため注意が必要です。
原因を特定するには「除去食試験」などの方法が用いられることもあります。

 

異物の誤食
おもちゃの部品、ひも、ビニール袋、観葉植物など、猫が誤って口にしてしまうものが胃や腸に詰まると、体が異物を出そうとして嘔吐することがあります。
誤食が疑われる場合は、無理に吐かせず、すぐに動物病院を受診することが大切です。

 

消化器の腫瘍・ポリープ
特に高齢の猫では、胃や腸に腫瘍(たとえばリンパ腫など)やポリープができることがあり、これが慢性的な嘔吐の原因になっている場合もあります。
病気が進行してくると、食欲の低下や体重の減少、便の状態に異常が出てくることもあるため、注意が必要です。

 

慢性腎臓病・甲状腺機能亢進症
慢性腎臓病は高齢猫に多く見られる病気で、老廃物が体内に蓄積することで吐き気を起こすことがあります。
また、甲状腺機能亢進症は代謝が過剰になる病気で、食欲はあるのに痩せていく、落ち着きがなくなるといった症状とともに、嘔吐を伴うことがあります。

▼甲状腺機能亢進症についてはこちらで解説しています

 

寄生虫感染
外に出る猫や、保護されたばかりの猫などは、回虫やジアルジアなどの消化管寄生虫が原因で嘔吐することがあります。
感染初期は症状が軽いこともありますが、放っておくと下痢や脱水、体力低下を引き起こすため、検便や駆虫による早めの対応が必要です。

 

【観察しておきたい「嘔吐の内容と頻度」】

猫が嘔吐を繰り返している場合、その背景にどのような原因があるのかを見極めるには、飼い主様の観察記録がとても重要になります。
特に、「いつ・どのように・どんなものを」吐いたのかといった情報は、診断に直結する手がかりとなります。

以下のポイントを参考に、できるだけ具体的に記録しておきましょう。

 

<吐いたものの内容>
未消化のフード:早食いや消化不良の可能性
毛玉:生理的な吐出。ただし頻度が多い場合は注意
白い泡や黄色い液体:空腹時や胃の不調でよく見られる
血が混じる・黒っぽい内容:消化管出血の疑いがあり、受診が必要
異物が含まれている:誤食の可能性があるため注意

 

<吐いたタイミング>
食後すぐ:早食いや胃の異常
空腹時や夜中:胆汁の逆流や慢性胃炎が関係することも

 

<吐いた後の様子>
元気・食欲がある:一時的な吐き戻しの可能性
ぐったりしている・動かない:体調不良のサイン

 

<吐く頻度・期間>
・吐くのが毎日のように続いていないか?
数日以上、繰り返していないか?

 

【こんな場合は、早めの受診を】

以下のような症状が見られた場合は、できるだけ早く動物病院を受診してください。

・短時間に何度も吐いている
・食欲が明らかに落ちている
・吐いたあと、ぐったりして動かない・元気がない
・下痢や血便を伴っている
・高齢の猫や、持病(腎臓病・甲状腺疾患など)がある猫が吐いた
・吐いたものに血が混じっている、黒っぽい内容物がある

「様子を見ていて大丈夫だった」ということもありますが、早めの受診によって病気の早期発見につながるケースも多くあります。
特に年齢の高い猫や、これまでに吐いたことがない猫に突然の嘔吐が見られた場合には、軽視せずご相談ください。

 

【受診前にできること・伝えてほしい情報】

動物病院を受診する際、猫の嘔吐について「どのような症状が、いつから、どんなふうに起きているか」を伝えることは、スムーズな診察や適切な治療につながります。
以下のような情報を、できる範囲でまとめておくと安心です。

嘔吐の様子を動画で撮影する
吐き方や体の動き、嘔吐物の見た目など、言葉では伝えにくい情報を補うことができます。

 

吐いたものの記録をとる
色・量・形状・混ざっている内容(毛・血・異物など)を記録、または写真に残しておくと診察の参考になります。

 

直前に食べたものを把握する
新しいフードやおやつを与えたか、盗み食い・拾い食いをしていないかも確認しましょう。

 

生活環境や行動の変化を振り返る
外に出たかどうか、観葉植物やひも類をかじっていなかったか、家族の誰かが知らないうちに与えたものはなかったか、なども重要です。

「どこまで伝えればいいかわからない」と不安な場合でも、少しのメモや写真が役立つことがありますので、遠慮なくお持ちください。

 

【まとめ|「吐くこと」は、猫からの大切なサイン】

「猫は吐きやすい」と言われることがありますが、毎日のように吐いている、吐いたものの内容がいつもと違う、元気や食欲がないといった変化がある場合には、体調不良や病気のサインである可能性も考えられます。
特に高齢の猫や持病がある場合は、軽い症状でも早めに対応することが大切です。

「少し様子を見ようかな…」と迷うこともあるかもしれませんが、無理に様子を見すぎず、早めに当院までご相談ください。

 

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