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犬の咳は要注意|原因と動物病院を受診すべき症状チェック

コラム

犬の咳は「カハッ」「ケッケッ」など、何かを吐き出すように見えることが多いのが特徴です。
一時的な刺激で起こることもありますが、病気が背景にあるケースもあるため注意が必要です。
今回は、犬の咳の特徴や考えられる原因疾患、そして適切な治療法について詳しくご紹介します。

※呼吸が苦しそう(口呼吸/腹式呼吸/舌や歯ぐきが青紫色など)な場合は、すぐに動物病院を受診すべき症状を優先して確認し、早めに受診してください。

 

■目次
1.犬の咳が出るときにまず確認すること
2.すぐに動物病院を受診すべき症状
3.咳のタイプ別に考えられる原因
4.犬の咳の治療と自宅でできるケア
5.まとめ

【犬の咳が出るときにまず確認すること】
◯咳とくしゃみ・嘔吐の違い
犬の咳はえずく動作に似ていることが多く、逆くしゃみ(喉の奥に刺激が加わり、強い吸い込みを伴う発作的な呼吸)やくしゃみ、嘔吐しそうな仕草と見分けがつきにくいこともあります。

 

・咳…「カハッ」「ケッケッ」という乾いた音が多い(乾性咳嗽:かんせいがいそう)
    首を伸ばして前足を踏ん張る姿勢が見られることがある
    痰が絡むと「グッゴホッ」と湿った音になる(湿性咳嗽:しっせいがいそう)

・くしゃみ…鼻先で起こり、鼻水が飛ぶこともある
      逆くしゃみでは「ブーブー」「ググッ」と鼻から強く空気を吸い込む音

・嘔吐…吐く前にソワソワ、よだれが出る
    背中を丸め、腹部からの強い動き

 

◯咳の頻度・時間帯・音の特徴を記録する

・1日に何回ぐらい咳が出ているか

・単発か、何度も繰り返されるのか

・いつ(朝、夜、散歩後、興奮時など)出やすいか

・咳の後に嘔吐、白い泡、痰が出ているか

また、咳の様子を動画に撮っておくと診察時に大きな手掛かりになります。

 

◯夜や運動時に多い場合は注意
咳が夜に増えている/寝ている時目が覚めるほど続く場合や、運動後・興奮時に悪化する場合は、特に注意が必要です。

 

【すぐに動物病院を受診すべき症状】

「少し様子をみようかな…」と迷う場面でも、次の症状がある場合は早めの受診がおすすめです。

・咳が1日以上続く、または繰り返す
一時的な刺激の咳は通常1分程度でおさまることが多いですが、続く/頻繁に繰り返す場合は原因がある可能性があります。

・咳と一緒に呼吸が荒い・苦しそう
呼吸が苦しそうに見えたり、お腹を使って呼吸しているようであれば、呼吸困難の可能性があります。

・食欲、元気がない

・チアノーゼ
重度の酸素不足を示す緊急サインで、舌や歯茎の色が青白い〜青紫色に見える状態です。
すぐに動物病院や夜間救急病院に連絡し、診察を受けてください。

 

【犬の咳のタイプ別に考えられる原因】

※咳の音だけで病気を断定することはできません。目安として参考にし、気になる場合は受診してください。

・乾いた咳(ケンケン・空咳) → 気管虚脱、慢性気管支炎など

・湿った咳(ゴホゴホ) → 肺炎、心不全、気管支炎など

・吐き気を伴う咳 → 喉の異常や心疾患など

・発作的な連続した咳 → 誤嚥・異物・感染症など

 

〈気管虚脱〉
気管を支える軟骨が弱くなることで、呼吸時に気管が変形してつぶれてしまう病気です。
乾いた咳が最も一般的な症状であり、他にもガチョウの鳴き声の様な呼吸音が特徴的です。

特に老犬に多く、犬種ではチワワ、マルチーズ、ポメラニアン、ヨークシャー・テリアなどの小型犬に多く見られます。

症状が重い場合には、気管を広げるための外科手術が選ばれることもあります。

 

〈慢性気管支炎〉
2ヶ月以上継続する執拗な咳を特徴とする疾患です。

ゆっくり進行するため、症状がはっきり現れたときにはすでに慢性化していることも多く、はっきりした原因が分からないケースも少なくありませんが、人と同様に大気汚染、受動喫煙や気道感染などが原因と考えられています。
テリア、プードルおよびコッカー・スパニエルなど中齢以上の小型犬種でよく見られます。

 

 〈肺炎〉
誤嚥性肺炎やウイルスや細菌が原因の肺炎でも咳が見られることがあります。
誤嚥性肺炎は、本来食道を通るはずの飲食物や唾液、胃酸などが誤って気管に入り込み、発作的な咳が出る疾患です。
早食いで飲み込みが追いつかずに誤嚥してしまうこともあるため、食事中や食後に突然咳込むこともあります。

 

〈肺水腫〉
心臓のポンプ機能が弱り、血液が肺にうっ滞してしまい、血液中の水分(血漿)が漏れ出すことで肺に水分が溜まる病気です。

肺の近くにある気道に水分が入るため湿った咳が出やすく、水分により肺に酸素を取り込みにくくなるため呼吸困難が見られます。

 

〈僧帽弁閉鎖不全症〉
僧帽弁が正常に閉じなくなり、血液が左心室から左心房へ逆流してしまう、犬の心臓疾患の中でも特に頻繁に見られる病気の一つです。

進行すると心臓内に余分な血液が溜まり、心臓が大きくなります。この拡大した心臓が気管を押し上げることで、気管が刺激されて咳の症状が見られます。

チワワ、トイ・プードル、ミニチュア・シュナウザー、ポメラニアンなどの小型犬種でよく見られることから、遺伝的な要素が関与していると考えられています。

 

〈ケンネルコフ(犬伝染性気管気管支炎)〉
ウイルスや菌の感染が原因で、強い咳を伴う風邪のような症状が現れる病気です。
特に、免疫機能がまだ十分に発達していない子犬に多く発生します。

 

〈フィラリア症〉
蚊が媒介する寄生虫が心臓や肺動脈に寄生する病気です。心臓から肺の血管に負担がかかることで咳が出るのが大きな特徴です。

進行するにつれて、湿った咳や呼吸困難、失神が見られることもあります。
しかし、正しく予防することで100%防ぐことができる病気です。

 

【犬の咳の治療と自宅でできるケア】
◯治療
犬の咳は原因によって治療が大きく異なります。まずは動物病院で原因を評価し、その子に合った治療を進めます。
(例)・細菌感染が疑われる場合→抗生剤
   ・心臓が弱っている場合→心臓の薬
   ・気道の炎症が強い場合→吸入治療(ネブライザー)/抗炎症治療など

 

◯自宅でのケア
治療と並行して、自宅でできるケアも咳を軽減させるために大きく役立ちます。

まず室温は22〜25℃程度、湿度50%前後を保つを意識しましょう。

人間と同じように乾燥した空気は咳を悪化させやすく、ハウスダストや花粉などの刺激物にも注意が必要です。加湿器や空気清浄機の活用もおすすめです。

 

◯予防
フィラリア症は、咳の原因になり得る代表的な病気の一つです。毎月の予防薬を継続することで、発症リスクを大きく下げられます。

また、口腔内の細菌が気道に悪影響を及ぼす場合もあるため、歯科ケアの徹底は呼吸器の健康維持にもつながります。

 

【まとめ】

犬の咳は、乾いた咳・湿った咳・連続的な咳・発作的な咳などタイプによって原因が異なります。早期に検査・治療を行うことで重症化を防げることがあります

 

咳が1日以上続く/繰り返す、呼吸が荒い、元気や食欲が落ちているなどの症状を伴う場合は、放置せず早めの受診が大切です。

 

乙訓どうぶつ病院では、呼吸器・循環器が連携した診断体制を整え、必要に応じてレントゲン、血液検査、心臓エコー、気管支鏡検査など総合的な検査が可能です。
さらに、酸素室(ICU )を完備し、重症の呼吸困難にも対応しています。

「いつもと違う」と感じたら無理に様子を見ず、早めにご相談ください。

 

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