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犬や猫の呼吸が速くなる原因とは?|獣医師が解説する受診の目安

コラム

「なんだかいつもより呼吸が速い気がする…」愛犬や愛猫の様子を見て、そんな不安を感じたことはありませんか?
特に、安静にしているはずのタイミングで息が荒くなると、「もしかして何か異常があるのでは?」と心配になりますよね。

犬や猫の呼吸のリズムには、健康状態が反映されることが多いため、普段の様子を知っておくことが大切です。

今回は、犬や猫の呼吸が速くなる原因や、受診の目安について解説します。

■目次
1.犬や猫の呼吸が速くなる主な原因
2.呼吸が速いときに注意すべき症状と受診のタイミング
3.受診するまでに飼い主様ができること
4.まとめ

 

【犬や猫の呼吸が速くなる主な原因】

犬や猫の呼吸が速くなる原因には、生理的な場合病気が関連する場合があります。

<生理的な場合>

運動後に呼吸が速くなるのは、体が酸素を多く取り込むための自然な反応です。 また、興奮時やストレスを感じたときも一時的に速くなりますが、落ち着けば元に戻ります。

犬や猫は汗をかいて体温を調節できないため、暑いときや運動後に口を開けて呼吸をすることがあります。
特に犬は『パンティング』と呼ばれるこの方法で効率よく体温を調節しますが、猫ではあまり見られず、体調不良が原因のこともあるため注意が必要です。

 

病気が関連する場合>

何もしていないのに呼吸が速かったり、普段と違う呼吸をしていたりする場合は、何らかの病気が関係している可能性があります。

・心臓病
心臓に異常があると血液の流れが悪くなり、体が十分な酸素を取り込もうとして呼吸が速くなります。特に、咳をする、運動を嫌がる、疲れやすいといった症状が一緒に見られる場合は、心臓病の可能性があるため注意が必要です。

・呼吸器の病気
気管や肺に異常がある場合も、呼吸が速くなります。
例えば、気管虚脱(気管がつぶれてしまう病気)は小型犬によく見られ、「ガーガー」「ゼーゼー」といった特徴的な音を伴う呼吸になります。
また、肺炎や気管支炎などの炎症性の病気も、呼吸が荒くなる原因のひとつです。

▼気管虚脱についてはこちら

 

・熱中症
気温や湿度が高い場所では、体温を下げるために激しく呼吸をします。
しかし、それでも体温が下がらず、よだれが増える、ぐったりするなどの症状が見られる場合は、熱中症の可能性が高いです。

・貧血や中毒
貧血になると血液が十分に酸素を運べなくなり、体が酸素不足になって呼吸が速くなります。
また、中毒によって血液の酸素運搬能力が低下することでも、同じように呼吸が速くなることがあります。タマネギ中毒などがその一例です。

 

【呼吸が速いときに注意すべき症状と受診のタイミング】

愛犬や愛猫の呼吸が速くなっていると、「少し様子を見てもいいのか、それともすぐに病院へ行くべきなのか?」と迷うことがあるかもしれません。
ここでは、早めの受診を検討すべき症状についてご紹介します。

<すぐに動物病院を受診すべき緊急症状>

以下のような症状がある場合は、命に関わる可能性があるため、夜間であってもすぐに動物病院を受診してください。

呼吸が苦しそうで、胸やお腹の動きが大きくなっている(呼吸困難の兆候)

舌や歯ぐきの色が紫色・青色になっている(チアノーゼ)

口を開けたまま呼吸している(特に猫は要注意)

咳が続く、または呼吸時にゼーゼー・ヒューヒューと異音がする

呼吸が異常に速く、安静にしても改善しない

意識がもうろうとしている、ぐったりしている

 

<できるだけ早めに受診すべき症状>

以下のような症状がある場合は、緊急ではないものの、早めの受診をおすすめします。

安静時でも呼吸数が通常より明らかに多い(犬:30回以上/分、猫:40回以上/分)

食欲が落ちている、元気がない

運動をしていないのに呼吸が荒くなっている

数日間咳やくしゃみが続く

これらの症状が続く場合、呼吸器や心臓の病気が隠れている可能性があります。

 

【受診するまでに飼い主様ができること】

呼吸が速くなっているときは、まず動物病院へ連絡し、指示を仰ぐことが最優先です。
ただし、病院へ向かうまでの間や診察を待つ間に、愛犬・愛猫が落ち着ける環境を整えることで、負担を減らせる場合があります。

<落ち着かせるためにできること>

・安静を保つ
落ち着ける環境を作り、できるだけ興奮させないようにしましょう。動き回ると呼吸がさらに荒くなるため、静かで狭めのスペースで休ませるのが理想的です。

・涼しい場所へ移動する
 特に夏場は熱中症の可能性があるため、エアコンや扇風機を使って涼しい環境を作りましょう。

・ストレスを与えない
大きな音や急な動きを避け、できるだけ静かに過ごさせましょう
また、飼い主様が焦ると、その不安が愛犬や愛猫にも伝わるため、落ち着いて対応することが大切です。

 

<絶対にしてはいけないこと>

・無理に動かす
呼吸が速いときに抱っこしたり移動させたりすると、余計な負担がかかることがあります。できるだけ動かさず、そっと見守りましょう。

・水や食べ物を無理に与える
呼吸が苦しそうな状態で無理に食事や水を与えると、誤嚥(ごえん:食べ物や水が気管に入ること)のリスクが高まります。

・自己判断で薬を与える
過去に処方された薬があっても、自己判断で与えるのは危険です。 病気の原因が異なると、かえって悪化する可能性があるため必ず獣医師の指示を仰ぎましょう。

 

【まとめ】

愛犬・愛猫の呼吸が速くなる原因には、生理的な場合と病気が関連する場合があります。運動後や暑い環境でのパンティングは正常な反応ですが、安静にしていても呼吸が速い、または苦しそうにしている場合は注意が必要です。

特に、舌や歯ぐきが紫色になる(チアノーゼ)、意識がもうろうとするといった症状が見られる場合は、すぐに動物病院を受診してください。

早期の診察によって、症状の悪化を防ぐことができる場合もあります。「もう少し様子を見よう」と放置せず、不安を感じたら迷わず動物病院に相談しましょう。

 

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