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猫の歯ぎしりは病気のサイン?原因と受診目安を獣医師が解説

コラム

「ギリギリ」「キュッキュッ」
――猫のお口からこのような音がすると、気になってしまう飼い主様は多いでしょう。

なかには「食事のときだけ音がする」「最近フードを食べたがらない」といった様子も見られます。

猫の歯ぎしりは、単なる癖のように見えても、実際にはお口の痛みや気持ち悪さ、内臓の不調が関係している場合があります。

今回は、猫の歯ぎしりで考えられる主な原因、口だけではない腎臓病との関係、そして受診を急ぎたいサインなどについてわかりやすくお伝えします。

■目次
1.猫の歯ぎしりで考えられる原因|口の痛みだけとは限らない
2.食事中の歯ぎしり・ご飯を食べないときは|お口のトラブル
3.猫の歯ぎしりと腎不全・腎臓病の関係|見逃したくない全身症状
4.今すぐ病院へ行くべき?|受診の目安
5.歯ぎしりも丁寧に診察|動物病院での検査の流れ
6.まとめ|猫の歯ぎしりは早めの相談が安心

 

【猫の歯ぎしりで考えられる原因|口の痛みだけとは限らない】

猫の歯ぎしりは、「ギリギリ」「キュッキュッ」といった音で気づかれることが多く、食事中だけでなく、安静にしているときに出ることがあります。

原因はお口の中だけとは限らず、大きく分けると「お口の違和感によるもの」と「全身の不調によるもの」があります。
まず思い浮かぶのは、歯や歯ぐきの痛みなど、お口のトラブルでしょう。しかし、吐き気や内臓の不調といった全身の病気が隠れているケースもあるのです。
さらに、顎まわりのケガや痛みが関係する場合や、まれに神経の異常によってお口を小刻みに「カチカチ」と動かす場合など、幅広い原因が考えられます。

そのため、「歯ぎしりをしているから口の中だけの問題だろう」と決めつけず、全身の状態も含めて見ていくことが大切です。
ここからは、お口のトラブルと全身の病気に分けて確認していきましょう。

 

【食事中の歯ぎしり・ご飯を食べないときは|お口のトラブル】

歯ぎしりが食事中に目立つ場合は、まずお口の痛みを疑いたいところです。
とくに注意したいのは、歯周病、口内炎、破折(歯が折れること)、そして猫に多い吸収病巣です。

吸収病巣とは、歯が内側から溶けるように壊れていく病気で、見た目ではわかりにくいことも少なくありません。食事中、歯にフードが当たるだけで激痛が走ることもあり、猫にとっては耐え難い苦痛となります。

食事のタイミングでは以下のようなサインを気にしてみてください。

✅ 口に入れたのに落としてしまう
✅ 食べこぼしが増える
✅ 食べたいそぶりはあるのに途中でやめる
✅ フードの前までは来るのに、いざ食べ始めると嫌がる

✅ 口元を気にする
✅ 片側ばかりで噛む

こうしたサインがあるときは、単なる好き嫌いや気まぐれではなく、痛みが隠れている可能性があります。

▼歯周病についてはこちらで解説しています


▼口内炎についてはこちらで解説しています

 

【猫の歯ぎしりと腎不全・腎臓病の関係|見逃したくない全身症状】

猫では慢性腎臓病が比較的多く見られます。腎不全によって毒素が溜まると、胃のむかつき(吐き気)や口内炎が起こり、その不快感から歯ぎしりをしてしまうことがあります。

もちろん、歯ぎしりだけで「腎臓病」と断定はできません。しかし、お口の異常がはっきりしないのに歯ぎしりが続くときや、食欲低下や元気消失を伴うときは、内臓の病気も視野に入れて調べる必要があります。

あわせて確認したいのは、以下のような変化です。

✅ 水を飲む量が増えていないか
✅ 尿の量が多くなっていないか
✅ 体重が落ちていないか
✅ 毛づやが悪くなっていないか
✅ 以前より寝ている時間が長い、遊ばなくなった
✅ 表情に元気がない

このように、猫の歯ぎしりを見るときは、お口の痛みと全身の不調の両方からの検討が欠かせません。

 

【今すぐ病院へ行くべき?|受診の目安】

飼い主様として一番迷いやすいのは「すぐ受診したほうがよいのか、それとも少し様子を見てもよいのか」という点ではないでしょうか。
結論としては、歯ぎしりが繰り返し見られる場合は、一度診察を受けることをおすすめします

とくに、このような状態が見られたら早めの受診が必要です。

・食事中に毎回歯ぎしりする
・ご飯を食べない
・水もあまり飲まない
・よだれが増えた
・口臭が強くなった
・口から出血している
・顔まわりを触られるのを嫌がるといった変化

さらに「元気がない」「吐く」「体重が減ってきた」といった全身症状が重なる場合は、口だけでなく内臓の不調も含めて早めに確認したいところです。

 

【歯ぎしりも丁寧に診察|動物病院での検査の流れ】

動物病院では、まず問診で「いつから歯ぎしりしているのか」「食事中だけなのか」「安静時にも見られるのか」「食欲や飲水量に変化はあるか」などを丁寧にお聞きします。

そのうえで、口腔内の診察を行い、歯ぐきの炎症、歯のぐらつき、口内炎、目で見て確認できる範囲の歯や歯ぐきに異常がないかを詳しく診ていきます。

必要に応じて、画像検査(レントゲン検査)も用います。
また、外傷の可能性があれば、レントゲン検査で顎や周囲の状態を確認します。
見た目だけではわからない歯の病気が疑われるときには、鎮静下で歯科レントゲンを撮影し、より詳しく口腔内を調べます。

また、腎臓の病気が疑われる場合は、血液検査では腎機能を含む全身状態を調べ、尿検査で腎臓への負担を評価していきます。

地域の動物病院として、当院では内科や歯科診療だけでなく、日々の生活の中でのちょっとした仕草や、気になる行動の変化についても詳しく伺う「動物行動学的なアプローチ」も大切にしています。
当院は、京都府南部地域および大阪府北部地域で初めての「キャットフレンドリーGOLD」資格を取得した猫にやさしい動物病院です。愛猫の何気ない変化も、お気軽にご相談ください。

▼当院のこだわりはこちら

 

【まとめ|猫の歯ぎしりは早めの相談が安心】

猫の歯ぎしりは、単なる癖ではなく、歯周病や口内炎、吸収病巣などによるお口の痛みや、腎臓病など全身の不調のサインかもしれません。
とくに「食事中に音がする」「食べたそうなのに食べない」「元気がない」といった変化が重なるときは、様子見を長引かせないようにしましょう。

当院では、猫の歯ぎしりについて、お口のトラブルから全身状態まで丁寧に確認し、必要な検査や治療をご提案しています。
「歯ぎしりのことで相談してもよいのかな?」と遠慮せず、食事の様子や日々の何気ない仕草でも違和感があるときは、お気軽に当院へご相談ください。

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