犬・猫の歯茎が赤い原因は?|歯周病や口内炎など注意したい病気
コラム
愛犬や愛猫の口の中をじっくり観察したことはありますか?
歯茎は犬・猫にとってお口の健康のバロメーターです。
そのため、もし歯茎が赤くなっているなら、それは歯周病や口内炎、あるいは口腔内のできものといったトラブルが隠れているサインかもしれません。
今回は、犬・猫の歯茎が赤いときに考えられる主な原因と、受診を考えたいサイン、動物病院で行う検査や治療についてわかりやすく解説します。

■目次
1.犬・猫の歯茎が赤くなる主な原因|歯周病だけでなく口内炎や外傷も
2.受診を考えたいサイン|赤み以外の変化も一緒に見る
3.動物病院で行う検査と治療|見た目だけでなく原因を確認する
4.まとめ|歯茎の赤みは早めに原因を確認することが大切
【犬・猫の歯茎が赤くなる主な原因|歯周病だけでなく口内炎や外傷も】
犬や猫の歯茎が赤くなる主な原因は歯周病です。
しかし、中には口内炎や傷などの可能性もあり、それぞれ原因に応じた対処が必要となります。
<歯肉炎>
歯肉炎は、歯垢や歯石が歯の表面に付着し、歯茎に炎症が起きている状態です。歯と歯茎の境目が赤くなり、歯みがきや食事のときに出血することもあります。
口臭が以前より強くなった、歯茎が少し腫れて見えるといった変化も、歯肉炎のサインとして見られます。
この時期に適切な歯科処置やデンタルケアを行うことは、歯周病の進行を防ぐうえでとても大切です。
<歯周病>
歯周病は、歯肉炎が進行して歯を支える組織にまで炎症が広がった状態です。歯茎の赤みはその代表的な初期サインです。
歯周病が進行すると、歯がぐらついたり、痛みで食べ方が変わったりすることもあります。状態によっては、歯を残すことが難しく、抜歯が必要になるケースも少なくありません。
▼歯周病についてはこちらで解説しています
<猫の口内炎>
猫では、歯茎だけでなく、口の奥や舌の周りまで赤くただれるような口内炎が見られることがあります。これは歯石の付着だけでなく、免疫の反応やウイルス感染など複数の要因が考えられます。
痛みが強い場合には、食べたい様子はあるのに食べられない、フードの前で迷う、よだれが増えるといった変化がみられます。
<歯の破折や異物による傷>
硬いものを噛んだときにできた傷(外傷)による腫れや出血で、お口の中が赤く見えることもあるでしょう。
歯茎や頬の内側に傷ができると、片側だけ赤く見える、出血する、口を触られるのを嫌がるなどの変化が見られます。
特に、骨や硬すぎるおもちゃを噛む習慣がある犬では、歯の破折にも注意が必要です。口内の赤みをきっかけに、歯の欠けに気づけることがあります。小さな破折であっても歯の内部に痛みや感染が起きている恐れがあります。
▼歯の破折についてはこちらで解説しています
<口腔内のできもの・腫瘍>
歯茎の赤みや腫れに見えて、実際には口の中にできものとなっているかもしれません。口腔内のできものは良性のものだけでなく、悪性腫瘍(がん)の可能性もあり、注意が必要です。
特に、赤く盛り上がっている、形がいびつ、大きくなっている、出血しやすいといった変化があるときは、早めの検査が必要です。
【受診を考えたいサイン|赤み以外の変化も一緒に見る】
日頃から愛犬・愛猫の口の中を確認する習慣があれば、お口のトラブルにもいち早く気づけます。
確認するときは、歯茎の色だけでなく、口臭・出血・食べ方・顔の腫れなども合わせて見てください。
次のような変化に気づいたら、早めに動物病院を受診しましょう。
✅ 歯茎の赤みが数日たっても引かない
✅ 歯磨きや食事のときに出血する
✅ 口臭が以前より強くなった
✅ 歯茎が腫れている、膿のようなものが出る
✅ 硬いフードを避けたり、片側だけで噛んだりする
✅ 口を気にして前足でこする
✅ よだれが増えた、血が混じる
✅ 顔の片側が腫れている
✅ 歯がぐらついている
✅ 口の中に赤いできものや盛り上がりがある
犬や猫は、口の痛みがあっても普段通りに過ごしているように見えることがあります。「元気も食欲もあるから大丈夫」とは言い切れません。
特に緊急性が高いサインはこちらです。
✅ 食べたい様子はあるのに食べられない、食欲が落ちている
✅ 出血が続いている
✅ 顔の腫れが急に大きくなった
✅ 強い痛みで口を触らせない
✅ ぐったりしている
これらに当てはまった場合は、できるだけ速やかに動物病院へ相談してください。
【動物病院で行う検査と治療|見た目だけでなく原因を確認する】
動物病院では、歯茎の赤みを見た目だけで判断せず、口腔内全体を確認して原因を探っていきます。
基本的な流れはこのように進みます。
1.問診
赤みが出た時期、出血の有無、口臭、食べ方の変化、歯みがき習慣、硬いものを噛んだ経験の有無などを飼い主様から伺います。
2.口腔内の確認
歯茎の赤みや腫れ、歯石の量、歯のぐらつき、歯周ポケット、口の奥や舌周りの炎症、できものの有無を確認します。
3.歯科レントゲン、画像検査
見た目ではわからない歯の根元、顎の骨、歯周組織などを確認する必要がある場合に実施します。
また、必要に応じて、追加の検査を行います。
・血液検査:抜歯など麻酔下での処置が必要な場合や、全身状態を確認したい場合に実施
・細胞診、病理検査:できものや腫瘍が疑われる場合に、良性・悪性の判断や治療方針の検討につなげる
検査結果をもとに、原因と状態に合わせて治療方針を決めていきます。
<治療の選択肢>
薬のみで症状をやわらげられることもありますが、歯科処置は原則麻酔下にて行い、歯茎の赤みの根源へアプローチします。
・内服薬による炎症や感染のコントロール
・歯垢・歯石の除去
・歯周ポケット内の洗浄・清掃
・保存が難しい歯の抜歯
・口腔内のできものに対する外科処置(切除など)
治療後は、良い口内環境を保ち、再発を防ぐためのデンタルケアの見直しも重要です。
<乙訓どうぶつ病院の歯科診療>
当院は、抜歯、口腔内腫瘍などの歯科・口腔外科手術にも対応しております。他院で対応が難しいと言われた場合も、ぜひ一度ご相談ください。
また、状態が悪化した後の処置だけではなく予防歯科にも力を入れています。
デンタルケアセミナーなどのイベントや個別の歯みがき指導も行っておりますので、日々のホームケアを徹底し、お口のトラブル予防を目指しましょう。
▼当院の手術についてはこちら
【まとめ|歯茎の赤みは早めに原因を確認することが大切】
犬や猫の歯茎が赤いときは、歯周病の初期サインのケースもあれば、口内炎、外傷、歯の破折、口腔内のできものなどが関係していることもあります。
お口の中は、普段じっくり確認する機会が少ない場所です。そのため、飼い主様が気づかないうちに、愛犬や愛猫が痛みや違和感を抱えていることもあります。歯茎の赤みなど小さな変化を早めに見つけるためには、定期的な歯科検診を受けるのも効果的です。
「赤い歯茎を診てもらうだけで受診してよいのかな」と迷う飼い主様もいらっしゃるかもしれません。しかし、歯茎の赤みはお口の異常に気づく大切なサインです。
少しでも気になる変化があれば、ためらわずに一度当院へご相談ください。
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