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犬の後ろ足が浮く・ケンケンするときは?足を上げる歩き方で注意したい病気

コラム

「愛犬が散歩中に急に後ろ足を上げて歩くようになった」
「数歩だけケンケンして、その後は普通に歩いている」

犬が後ろ足を浮かせるしぐさは、一時的な変化に見えても、実際には膝や股関節、靭帯、骨などに負担がかかっているサインかもしれません。

今回は、犬が後ろ足を上げるようになったときに考えられる原因や、受診の目安を分かりやすく解説します。

■目次
1.犬が後ろ足を浮かせるときに考えられる主な原因
2.様子見せず受診したいサイン|「たまにケンケンする」でも注意
3.動物病院では何を確認する?|原因を見極める診療の流れ
4.まとめ|後ろ足を浮かせるしぐさを見つけたら、早めに原因確認を

 

【犬が後ろ足を浮かせるときに考えられる主な原因】

犬が後ろ足を浮かせる原因は、足先のけがだけとは限りません。膝、股関節、腰まわりの痛みや違和感によって、片方の後ろ足をかばうように歩くことがあります。

また、小型犬、中高齢犬、活発に走ったりジャンプしたりする犬、過去に足を痛めたことがある犬など、年齢や犬種、生活環境によって疑う病気は変わります。

犬には痛みを隠して動く習性があるため、「少し気になるけど、歩けているから大丈夫」という判断は危険です。

後ろ足の違和感から考えられる整形外科疾患とその影響を理解して、愛犬に当てはまることはないか確認してみましょう。

 

<膝蓋骨脱臼|小型犬に多い“スキップ歩き”の原因>
膝蓋骨脱臼(パテラ)とは、膝のお皿にあたる膝蓋骨が、本来の位置から外れてしまう病気です。
小型犬で比較的よく発症し、以下のような歩き方の変化がみられます。

スキップのような歩き方をする
歩き始めや走ったあとに後ろ足を浮かせる
数歩だけケンケンする

特徴的なのは、しばらくすると普通に歩き出すケースがあることです。そのため、飼い主様から見ると「もう治ったのかな」と感じてしまうかもしれません。

しかし、同じ動きを繰り返している場合は、膝に負担がかかり続けている恐れがあります。
進行すると痛みが強くなったり、歩き方の癖が残ったりすることもあるため、早めに状態を確認しておくと安心です。

▼膝蓋骨脱臼についてはこちらで解説しています

 

<前十字靭帯損傷・断裂|急に足を着けなくなることも>
前十字靭帯は、膝関節を安定させるために重要な靭帯です。この靭帯に損傷や断裂が起こると、体重をかけたときに痛みや不安定さが生じ、以下のような変化があらわれます。

急に後ろ足を上げる
足先だけを地面につける
歩き始めに足をかばう
座り方がいつもと違う

また、完全に靭帯が断裂した場合には、ほとんど足を着けなくなることもあります。

中高齢の犬や、体重が増えている犬活発に動く犬では、日常の動きの中で少しずつ靭帯に負担がかかっている場合もあります。急な変化だけでなく、「最近なんとなく歩き方がぎこちない」と感じる段階でも注意が必要です。

▼前十字靭帯断裂についてはこちらで解説しています

 

<股関節の異常|腰を振る歩き方や立ち上がりにくさも>
後ろ足を浮かせる原因が、膝ではなく股関節の異常の場合もあります。たとえば「股関節脱臼」、中大型犬に多い「股関節形成不全」、若い小型犬に多い「レッグ・ペルテス病」などが挙げられます。

股関節の痛みや動かしにくさから、後ろ足を浮かせる以外にも、以下のような変化がみられます。

足を浮かせるだけでなく腰を左右に振るように歩く
立ち上がるまでに時間がかかる
階段や段差を嫌がる
散歩の途中で歩きたがらない

歩き方だけでは膝の病気と区別しにくいため、診察で関節の状態を確認していきます。

▼股関節脱臼についてはこちらで解説しています


▼股関節脱臼についてはこちらで解説しています

▼股関節脱臼についてはこちらで解説しています

 

【様子見せず受診したいサイン|「たまにケンケンする」でも注意】

犬のスキップやケンケンのような歩き方は、一瞬だけに見えるかもしれません。しかし、何度も繰り返している場合は、整形外科疾患の初期サインの可能性があります。

犬は痛みがあっても、周囲の刺激に反応して歩いたり、緊張した場面では普段よりしっかり歩いたりすることがあります。そのため、「歩けるかどうか」だけで判断するのではなく、日常生活の中でどのような場面で足を浮かせるのかを観察しましょう。

こちらは、早めに相談したいサインの一例です。

後ろ足を浮かせる動作を何度も繰り返す
散歩中や走ったあとにケンケン歩きが出る
立ち上がるときや歩き始めに足をかばう
階段・ソファ・段差を嫌がる
足先だけを軽く地面につける
横座りが増える
片方の後ろ足だけ筋肉が落ちてきたように見える

 

また、以下は緊急性の高いサインです。
一つでも当てはまったら、できるだけ早く動物病院へ相談してください。

足をまったく着けない
✅ 触ると鳴く・怒る・震える
✅ 急に歩けなくなった
✅ 足の向きが不自然
✅ 転倒や高所からの落下後に症状が出た
✅ 元気や食欲も落ちている

骨折や脱臼、靭帯の損傷など、早期対応が必要な状態が隠れている可能性があります。

 

【動物病院では何を確認する?|原因を見極める診療の流れ】

犬が後ろ足を浮かせる理由は、膝だけでなく、股関節、腰、足先などに隠れている場合があります。

痛みや違和感の元を突き止めるため、主に次のような流れで原因を確認します。

1.問診
いつから症状があるのか、どのような場面で後ろ足を浮かせるのかを伺います。転倒やジャンプ、高い場所からの着地後に変化が出たかどうかも確認します。
診察室では歩き方の異常が出ないこともあるため、後ろ足を浮かせて歩く様子を動画で残しておくと診察の参考になります。

2.歩行検査
歩き方、立ち方、座り方、体重のかけ方を見ながら、どの足をかばっているのかを確認します。

3.触診
膝や股関節、足先などをやさしく触り、痛みの有無や関節の違和感を確認します。

4.画像検査
必要に応じてレントゲン検査などを行い、骨や関節の状態を確認します。

すべての犬に同じ検査を行うわけではなく、症状の出方や年齢、犬種、生活環境に合わせて必要な確認を進めます。「たまに浮かせるだけだから」と迷う場合でも、動画や日頃の様子をもとに相談すると、原因の見極めにつながりやすくなります。

 

<乙訓どうぶつ病院の整形外科診療>
当院では、歩く・走る・立つといった体の動きを支える「運動器」の病気に、幅広く対応しています。
専門医による整形外科の専門診療も行っており、長岡京市だけではなく、向日市・大山崎町・京都市・大阪方面などからも、より専門的な整形外科診療を希望される飼い主様からご相談いただくこともあります。

当院では、レントゲン写真や模型を用いながら、現在の状態や治療方針をできるだけ分かりやすくお伝えし、飼い主様と一緒に今後の方針を考えていきます。
高度な手術からリハビリ(理学療法)まで、大切なご家族の回復までしっかりサポートいたします。

▼当院の整形外科診療についてはこちら

 

【まとめ|後ろ足を浮かせるしぐさを見つけたら、早めに原因確認を】

犬は、足に違和感や痛みがあっても、しばらくすると普通に歩くことがあります。
そのため、ケンケン歩きが短時間でおさまったからといって、必ずしも負担がないとは言い切れません。

特に、同じようなしぐさを何度も繰り返す場合は、見た目以上に膝や股関節へ負担がかかっていることもあります。

当院では、膝蓋骨脱臼、前十字靭帯断裂、骨折、脱臼、椎間板ヘルニアなど、専門的な判断や手術が必要になる病気にも対応しています。

犬の足の異常は、症状が進んでから治療するよりも、早い段階で原因を見つけ、負担の少ない対応につなげることが大切です。
「歩き方が少し気になる」「たまに後ろ足を浮かせる」といった小さな変化でも、気になるしぐさがある場合は、ぜひ一度お早めにご相談ください。

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