変形性関節症|動物病院をお探しなら、長岡京市にある乙訓どうぶつ病院へお任せください。

症例紹介

MENU
tel:0759583933
診療時間
9:00~12:00
13:00~15:00
16:00~19:30
受付時間
各診療終了30分前まで
休診日
土曜昼・日曜午後・祝日

変形性関節症

整形外科

【病態】

変形性関節症は、主に関節の軟骨が徐々にすり減っていくことにより、関節の痛みや動きづらさを引き起こす病気です。

軟骨は、骨と骨がぶつからないようにクッションのような役割を担っています。しかし、加齢や過度な運動、体重の増加(肥満)、さらには生まれつきの骨格の問題などが原因で軟骨の摩耗(すり減ること)や変性(性質が変わること)が起こると、関節に炎症が起こったり、「骨棘(こつきょく)」と呼ばれるトゲのような骨の突起ができたりします。
その結果、関節の動きが悪くなり、痛みを感じるようになります。

また、変形性関節症は進行性の病気です。一度すり減ってしまった軟骨や変形した関節は、自然に元に戻ることはありません。そのため、早期に気づき、適切なケアや管理を始めることがとても大切です。

 

【症状】

変形性関節症の症状は初期のうちはとても分かりづらく、気づかないまま時間が経ってしまうこともあります。
特にシニア期に入った犬や猫では「年齢のせいかな」と思って見過ごしてしまうことも少なくありません。

しかし、以下のような変化が見られる場合は、関節に痛みや不快感を抱えているサインかもしれません。

・動きがゆっくりになった
・歩き方がぎこちなくなった(足をかばうような歩き方)
・散歩を嫌がる、途中で立ち止まって座り込む
・階段の上り下りやソファへのジャンプをためらう
・抱っこしたときに嫌がったり、鳴いたりする
・足先や関節のあたりをしきりになめる、またはかじる
・朝起きたときや、長時間横になった後に動きが鈍くなる

特に、寒さが厳しい冬場や、気温の変化が大きい季節の変わり目などに症状が悪化しやすい傾向があります。

 

【診断】

診断は一つの検査だけで判断するのではなく、以下のようないくつかのステップを踏んで総合的に行われます。

問診
飼い主様から普段の様子について詳しくお伺いします。
「最近あまりジャンプしなくなった」「朝起きた後の動きがぎこちない」「散歩を嫌がるようになった」など、小さな変化がとても大切な手がかりになります。
また、痛みが出るタイミングや運動量の変化なども診断に役立ちますので、日頃の様子を思い出しながら、気になる点をお伝えください。

 

身体検査・触診
関節の動かしやすさ(可動域)、腫れや熱っぽさ、痛みに対する反応、歩き方の観察などを通して、どの関節に異常があるかを確認します。
例えば、特定の足に体重をかけない、関節に触れると嫌がる、歩き方が左右で違うといった様子が見られると、痛みのある部位を特定するヒントになります。

 

画像診断(レントゲン・CT検査 など)
レントゲン検査では、関節の変形、骨棘の形成、関節のすき間が狭くなっているかどうかなどを確認します。
ただし、初期の段階ではレントゲンに変化が映らないこともあります
また、必要に応じて、より詳しい画像が得られるCT検査を行うこともあります。

 

血液検査・関節液の検査
変形性関節症に似た症状を起こす病気には、関節リウマチや感染による関節炎などもあります。そのため、血液検査で炎症の有無を調べたり、関節液を採取して性状を分析したりすることもあります。

 

このように、いくつかの検査を組み合わせて行うことで正確に診断を下し、適切な治療やケアへとつなげていきます。

 

【治療】

変形性関節症は、一度発症すると完治が難しい病気ですが、適切な治療を行うことで進行をゆるやかにし、関節の痛みや不快感を和らげることが可能です。
愛犬や愛猫がこれまで通り、なるべく快適に日常を過ごせるようにサポートすることが治療の大きな目的となります。

当院では、より専門的な診断や治療が必要な場合に備え、整形外科の専門医を定期的に外部からお招きして診療を行っています。
症状の程度に応じて、以下のようなさまざまな治療法を組み合わせて進めていきます。

 

<内科的治療>
まずは、痛みや炎症を抑えるための内科的な治療から始めることが一般的です。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
炎症や痛みを抑えるお薬で、症状の軽減に効果が期待されます。

 

関節をサポートするサプリメント
グルコサミンやコンドロイチン、オメガ3脂肪酸などを含むサプリメントは、軟骨の健康維持や炎症の緩和に役立つとされており、補助的に取り入れられることがあります。

 

補助療法(レーザー治療・温熱療法・マッサージなど)
痛みの緩和や血行促進を目的として、必要に応じてこうした補助的な療法を行うこともあります。

 

<体重管理>
体重が増えると、関節への負担も大きくなります。そのため、理想的な体重を維持することは治療の中でも非常に重要です。
食事内容の見直しや運動量の調整などを通じて、体重管理を行います

 

<運動療法>
適度な運動は関節のこわばりを防ぎ、筋力の維持にもつながります。
ただし、無理をすると関節に負担がかかってしまうため、犬や猫の状態に合わせてやさしい運動を選ぶことが大切です。

例えば、ゆっくりとしたお散歩や、動物病院で行う水中トレッドミルなどは、関節への衝撃を抑えながら運動ができるため、取り入れられるケースがあります。

 

<外科的治療>
内科的な治療では十分な改善が見られず、痛みが強い重度のケースでは外科手術が検討されることもあります。

関節鏡手術
関節形成術
人工関節置換術 など

これらの手術は、他の治療法が効果を示さなかった場合の最終的な選択肢となるため、慎重な検討が必要です。

 

【予後】

変形性関節症は完治が難しい慢性疾患ではありますが、適切な治療と日常的なケアを続けることで痛みを和らげたり、進行を遅らせたりすることは十分に可能です。
特に、症状が軽いうちに気づいて対処することで、進行を抑え、長く元気な日々を送ることができます。

実際に治療を始めた犬や猫の中には、歩き方がスムーズになったり、動くことに意欲的になったりと、以前のような活発さを取り戻すケースも多くあります。

「もしかして関節が痛いのかも」「年齢のせいだと思っていたけど、ちょっと気になる」と感じることがありましたら、まずはご相談ください。

WEB予約はこちら