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肺高血圧症

循環器科

【病態】

肺高血圧症とは、「肺動脈」と呼ばれる肺に血液を送るための血管に、通常よりも高い圧力がかかってしまう病気です。

本来、肺の血管はやわらかく、しなやかで、血液がスムーズに流れるような構造になっています。しかし、何らかの原因で血管が硬くなったり、内側の通り道が狭くなったりすると、心臓は血液を肺へ送り出すのにより強い力が必要になります。

特に、心臓の右側にある「右心室」という部分は、肺に血液を送り出すポンプの役割をしており、肺の血管にかかる抵抗が強くなると、右心室には大きな負担がかかってしまいます。
このような状態が続くと、右心不全といった心臓のトラブルへと進行してしまうおそれがあります。

また、肺高血圧症は単独で発症することはまれで、多くの場合はほかの病気が関係しています。例えば、僧帽弁閉鎖不全症などの心臓の病気、フィラリア症、肺の慢性的な炎症などが原因となって、続発的に起こることが多いです。

 

【症状】

肺高血圧症は、初期の段階では目立った症状が出にくいため、気づかれにくい病気です。しかし、進行すると以下のようなサインが見られるようになることがあります。

・お散歩や遊びの途中で立ち止まる、動きたがらない
・少しの運動や興奮で、呼吸が荒くなる
・咳が続く(特に朝方や運動後に目立つ)
・ふらつきや失神が起こることがある
・舌や歯ぐきの色が紫がかって見える(チアノーゼ)
・お腹がふくらんできたように感じる(腹水の可能性)

そのままにしておくと、心臓や肺にさらに負担がかかってしまうことがあるため、気になる変化が見られた際は、できるだけ早めに動物病院で相談されることをおすすめします。

 

【診断】

肺高血圧症の診断は、いくつかの検査を組み合わせて総合的に評価する必要があります。というのも、この病気はひとつの検査だけでは確定することが難しく、慎重な判断が求められるためです。

レントゲン検査
胸のレントゲンを撮影し、肺や心臓の大きさ・形に異常がないかを確認します。特に、肺動脈が広がっている場合や心臓の右側(右心系)が大きくなっている場合には、肺高血圧症の疑いが強くなります。

 

心エコー検査(超音波検査)
肺高血圧症の診断で最も重要とされる検査です。超音波を使って、肺動脈の血圧の推定や、右心室への負担がどの程度かを確認することができます。

 

血液検査
心臓にかかる負担の度合いを調べるマーカー(BNPなど)の測定や、フィラリア症など他の病気がないかを確認します。

 

酸素飽和度の測定
血液中の酸素の量を測ることで、呼吸機能の低下があるかどうかの目安になります。

 

また、必要に応じて、CT検査心電図検査などを追加して、より詳しく状態を把握することがあります。
このように、複数の検査結果を照らし合わせながら、肺高血圧症の可能性を正確に見極めていきます。

 

<当院での取り組み>
当院では、肺高血圧症が疑われる犬や猫に対して、正確で早期の診断ができるよう、循環器内科の専門医を定期的に外部からお招きして診療を行っております

中でも心エコー検査(超音波検査)には特に力を入れており、肺動脈圧の推定や右心室の機能評価を高い精度で実施できる体制を整えています。これにより、見落とされやすい初期段階の異常も、しっかりと捉えることが可能です。

さらに、肺高血圧症と診断された後の継続的なフォローアップにも力を入れています。定期的な再診や検査を通じて、症状の変化や心臓・肺の状態を細かくチェックし、必要に応じてお薬の調整や酸素の使用など、個別に合わせた対応を行っています。

飼い主様と二人三脚で、大切なご家族の健康を守るお手伝いをしてまいりますので、ご不安なことがありましたらいつでもご相談ください。

 

【治療】

肺高血圧症の治療では、完治を目指すというよりも、症状の進行をできるだけ抑えながら、愛犬・愛猫が快適に過ごせる状態を保つことが大切になります。そのため、基礎疾患の治療も含めた長期的なケアが基本となります。

基礎疾患の治療
肺高血圧症は、ほかの病気に続いて起こることが多いため、まずは原因となっている病気のコントロールが重要です。

心臓病がある場合:心臓の働きを助け、血液の流れを改善するために、強心薬や利尿剤などを使用します。

フィラリア症の場合駆虫薬を使って寄生虫を駆除し、同時に炎症を抑える治療を行います。

慢性的な肺の病気がある場合ステロイドや抗生物質などで炎症をやわらげ、呼吸の負担を軽減します。

 

血管拡張薬の使用
肺の血管を広げて圧力を下げるお薬が使われることがあります。これにより心臓の負担が軽減され、呼吸状態の改善が期待できます。

 

酸素療法
症状が重い場合や、急に悪化したときには、酸素を補う治療が効果的です。
必要に応じて、ご自宅で使える「レンタル酸素室」をご案内することもあります。

 

食事と体重管理
太りすぎは、心臓や肺にかかる負担を大きくしてしまいます。
そのため、バランスの取れた食事と、無理のない範囲での適切な運動管理により、適正な体重を維持することも大切な治療のひとつです。

 

【予後】

肺高血圧症の予後は、基礎疾患の種類や重症度、診断された時期、そして治療への反応などによって、大きく異なります。

例えば、早い段階で病気が見つかり、適切な治療を始められた場合には、症状が落ち着き、普段通りの生活を続けられることもあります。
一方で、進行が早く、右心不全が強く出ているようなケースでは、体への負担が大きくなりやすく、予後が厳しくなることもあります。

「完治が難しい病気」と聞くと、不安な気持ちになるかもしれません。
しかし、根気強く治療を続け、定期的な通院や体調のチェックを行うことで、愛犬・愛猫が穏やかに過ごす時間をしっかり支えることは十分に可能です。

呼吸が荒い、咳が続く、元気がないなど、いつもと違う様子に気づかれた際には早めにご相談ください。

 

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