外歯瘻|動物病院をお探しなら、長岡京市にある乙訓どうぶつ病院へお任せください。

症例紹介

MENU
tel:0759583933
診療時間
9:00~12:00
13:00~15:00
16:00~19:30
受付時間
各診療終了30分前まで
休診日
土曜昼・日曜午後・祝日

外歯瘻

歯科

【病態】

犬や猫の外歯瘻(がいしろう)とは、歯の根元の周囲で激しい感染や炎症が起こり、溜まった膿の出口が皮膚側に作られてしまった状態を指します。

歯の根元の感染や炎症が進行すると、膿の出口を作るように、周囲の骨や組織が少しずつ壊されていきます。その結果、膿が皮膚の方向へ進み、最終的に頬や目の下、あごなどの皮膚を突き破って穴が開いてしまうのです。

外歯瘻は、このような「腫れ」や「皮膚からの膿・出血」といった症状から、外傷や皮膚病と間違われやすい歯科疾患です。

 

【原因】

犬では、上あごの奥にある「第4前臼歯」が原因になるケースが多く見られます。これはハサミ状に噛み合う大きな歯で、硬いものを噛んで歯が欠けたり、歯周病が進行したりすると、歯の根元に感染が広がります。
この感染が起きると、目の下や頬が腫れ、膿や血の混じった液体が出る場合があります。

一方で、猫でも歯周病や歯の折れ、あるいは猫特有の「吸収病巣」という歯が溶ける病気などが背景となり、外歯瘻を発症することがあります。

歯周病についてはこちらで解説しています

 

【症状】

外歯瘻の代表的な症状として「排膿」や「皮膚の腫れ・穴」が挙げられます。

排膿:歯の根元に溜まった膿は、行き場を失うと、組織の薄い方向へ通り道を作ります。上の奥歯の根元は目の下や頬の皮膚に近いため、皮膚側へ膿が出てきます。

皮膚の腫れ・穴:これらは歯の根元で起きている感染の結果として表れます。皮膚だけに軟膏を塗ったり消毒したりしても、原因となる歯の感染が残っていれば、再び腫れや排膿を繰り返す恐れがあります。

しかし、歯に異常がなく見えたり、表面の歯石がそれほど目立たなかったりしても、歯の根元の深い部分で感染が静かに進行しているケースがあります。

 

<見逃したくない外歯瘻の症状とサイン>
外歯瘻になると、顔まわりの変化だけでなく、日常生活の行動にもいくつかのサインが表れます。

以下のような様子が見られたら、早めに動物病院を受診するようにしましょう。

・目の下や頬、あごのあたりが不自然に腫れている
・皮膚に小さな穴が開き、膿や血の混じった液体が出ている
・かさぶたができたり、一度治ったように見えても再び腫れたりする
・口臭が急に強くなった
・ドライフードなどの硬いものを噛みにくそうにしている
・食べる時に片側ばかり使っている、または食べるのに時間がかかる
・顔まわりを触られるのを嫌がるようになった

顔の皮膚に症状が出るため、皮膚病向けの薬を処方されて使っても一時的に腫れが引いたり、穴が閉じたりする場合があります。しかし、服薬をやめた後に同じ場所が再び腫れるときは、歯が原因になっている可能性があります。

 

【診断】

外歯瘻が疑われるとき、当院では皮膚とお口の両面から慎重にアプローチを行い、診断を下します。

1.問診
顔の腫れや膿が出始めた時期、再発の有無、これまでの治療歴、食事や口臭の変化などを確認します。

2.視診・触診
顔の腫れや痛みの状態を確認し、お口の中の歯石、歯周病、歯の破折、歯ぐきの腫れなどを観察します。

3.画像検査
確定診断のために、必要に応じて歯科レントゲン検査などを行い、歯の根元やあごの骨の状態を確認します。そのうえで原因となる歯や治療方針を検討します。

ただし、顔が腫れる病気は外歯瘻だけではありません。単純な皮膚炎や外傷皮膚や口腔内の腫瘍目の周囲の炎症、あるいは鼻腔や副鼻腔の病気など、似たような症状を呈する病気はほかにも存在します。
皮膚の腫れや穴だけで判断せず、歯科疾患との関連性をしっかりと見極めることが重要です。

▼副鼻腔の病気についてはこちらで解説しています

 

【治療】

外歯瘻の治療で大切なのは、皮膚のケアだけでなく「原因となっている歯の感染源を取り除くこと」です。

原因歯の抜歯:感染の源となっている歯を抜くことで、膿の通り道を根本から遮断します。

歯周病の処置:原因歯の周囲や、ほかの歯のまわりにある感染物質をきれいに取り除きます。

歯石除去(スケーリング)と口腔内のクリーニング:お口全体の細菌数を減らし、環境を整えます。

お薬による治療:術前術後の感染や炎症を抑えるため、抗生剤や消炎剤を適切に投与します。

皮膚のケア:排膿している部位をきれいに洗浄し、皮膚の治癒を促します。

 

<外歯瘻における抜歯>
多くのケースで、原因となっている歯の抜歯が根本的な治療になります。歯周病が重度に進行している場合や、歯の根元の骨が大きく失われている場合には、全身麻酔下で抜歯が必要になるのが一般的です。

もし不完全に歯を残してしまうと、目に見えない微細な細菌が根元に残り、将来的な再発のリスクが高まります。
犬や猫にとって、痛みの原因となっている歯を残すことよりも、感染源を取り除き、痛みから解放してあげることのほうが、良い選択肢となることもあるのです。

当院では、インフォームドコンセントを大切にし、治療の必要性や麻酔のメリット・デメリットについても丁寧に飼い主様へ説明します。ご不安やご質問も安心して獣医師にお尋ねください。

▼手術についてのご案内はこちら


▼当院のこだわりについてはこちら

 

【予後】

適切な歯科治療により原因歯を取り除くことができれば、予後は良好なケースが多くあります。
感染源がなくなると顔の腫れや排膿は落ち着き、皮膚に開いていた穴も時間とともにふさがっていく傾向にあります。
ただし「感染が周囲の骨にまで広く及んでいる」「全体の歯周病が重度である」といった場合は、治療や回復に少し時間を要することもあります。

 

<再発を防ぐために大切なこと>
外歯瘻を起こした歯を抜歯すれば、その部位が再発するリスクは大きく下がります。しかし、お口の中全体の環境が変わらなければ、将来的に別の歯で同じトラブルが起こるリスクは残ります。歯周病が進行している歯がほかにもあるなら、それらの同時処置も検討します。

治療が終わった後も、定期的に動物病院で口腔内のチェックを受け、ご自宅で無理のない範囲のデンタルケアを継続しましょう。

当院は、歯科・口腔外科や皮膚科に対応し、総合診療の視点をもって、愛犬・愛猫の苦痛を取り除くお手伝いをさせていただきます。
「何度も目の下が腫れる」「皮膚の治療をしているけれどなかなか治らない」とお悩みの飼い主様は、ぜひ一度、当院までお気軽にご相談ください。

WEB予約はこちら