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犬が頻繁に掻く理由は?|アレルギーや感染症などの原因と病院を受診する目安

コラム

愛犬が一生懸命に体を掻いている様子を見ると、飼い主様としては「何か異常があるのでは」と心配になることと思います。頻繁に掻いたり舐めたりする行為は、単なる癖ではなく、健康上の問題が隠れているサインである場合が少なくありません。

犬の皮膚トラブルをそのまま放置すると、症状が悪化して感染症を引き起こしたり、慢性的な問題に発展したりする恐れがあります。
犬にとって皮膚は外部の刺激から体を守る大切なバリアであり、同時に健康状態を映し出す「鏡」のような存在なのです。

今回は、犬の皮膚が痒くなる主な原因と、それぞれの対処法について詳しく解説します。
また、症状別に動物病院を受診するべき目安もご紹介しています。

■目次
1.犬が痒がる原因は?
2.こんな症状は見逃さないで!痒みのサインと見分け方
3.獣医師による診断と治療の流れ
4.動物病院に連れて行くタイミングとは?|症状別の受診目安
5.自宅でできる対処法
6.まとめ

 

【犬が痒がる原因は?】

犬が皮膚に痒みを感じる原因はさまざまです。ここでは、主な原因についてそれぞれの特徴や症状を詳しくご紹介します。

<アレルギー>

アレルギーは犬の痒みの原因として非常に多く見られるものです。以下のように、いくつかの種類に分けられます。

・食物アレルギー
特定の食材に対するアレルギー反応が原因です。皮膚に湿疹や赤みが出ることが多く、耳や顔をしきりに掻いたり足先を舐めたりする様子が見られます。
場合によっては、症状が全身に広がることもあります。

・環境アレルギー(アトピー性皮膚炎)
花粉やホコリ、カビ、ダニなど、環境中のアレルゲンが引き金となります。
特に季節の変わり目に症状が悪化しやすい傾向があります。足の指、お腹、顔周りなどに痒みが集中するのが特徴です。

アトピー性皮膚炎についてはこちらから

・接触性アレルギー
シャンプーや洗剤、床材など、直接触れる物質が原因です。アレルゲンに触れた部分に限定して痒みや発疹が現れるのが特徴です。

 

<外部寄生虫>

外部寄生虫が原因の場合、皮膚に目に見えるはっきりとした変化が表れることが多く、痒みも強くなりがちです。

・ノミ
ノミが原因となる痒みは、ノミの唾液に対するアレルギー反応(ノミアレルギー性皮膚炎)によるものです。背中や尾の付け根を中心に強い痒みが見られるのが特徴です。

ノミアレルギー性皮膚炎についてはこちらから

・ダニ(疥癬ダニ、毛包虫など)
疥癬ダニは激しい痒みを伴い、耳の縁や肘、腹部などに赤みやかさぶたを作ります。
一方、毛包虫は若い犬や免疫力が低下している犬で脱毛や炎症を引き起こすことが多いです

 

<皮膚感染症>

細菌や真菌(カビ)の感染によって皮膚に炎症や痒みが発生することがあります。

・膿皮症
毛穴に細菌が感染することで起こる炎症です。ブツブツとした赤い発疹が特徴で、強い痒みを伴います。

・マラセチア性皮膚炎
皮膚の常在菌であるマラセチアが過剰に増殖することで発症します。耳の中やわきの下、お腹周りに赤みやベタつきが現れるのが特徴で、耳から独特の臭いがすることもあります。

マラセチア性皮膚炎についてはこちらから

 

<その他の原因>

・乾燥
冬場の暖房や乾燥した環境が皮膚のバリア機能を低下させ、痒みを引き起こすことがあります。

・ストレス
ストレスが原因で、犬が過剰に体を舐めたり掻いたりする行動を示す場合があります。

 

これらの原因は、単独で発症することもあれば、複数の要因が重なって症状が悪化することもあります。愛犬の皮膚トラブルに適切に対応するためには、原因をしっかりと見極めることが大切です。

 

【こんな症状は見逃さないで!痒みのサインと見分け方】

愛犬の皮膚トラブルを早期に発見するためには、日頃から愛犬の様子を注意深く観察することが大切です。以下のポイントを参考に、行動や皮膚の状態に現れる痒みのサインを見逃さないようにしましょう。

<行動でわかる痒みのサイン>

・頻繁に舐める
足先や体の特定の部位をしきりに舐める場合があります。特に、同じ場所を繰り返し舐めている場合は注意が必要です。

・引っ掻く
耳や首、体全体を爪で引っ掻く動作が増えます。

・体を擦りつける
床や壁、家具などに体を押し付けて擦りつける行動が見られます。

 

<目視で確認できる症状>

・皮膚の赤みや発疹
アレルギー反応や皮膚感染症が原因で炎症が起きている場合があります。赤みが広範囲に広がっている場合は、症状が進行している可能性があります。

・脱毛
部分的な脱毛はダニや真菌感染の可能性を示します。脱毛箇所の周囲に赤みやかさぶたがある場合は、さらに注意が必要です。

・かさぶたやフケ
乾燥や皮膚感染症が原因で現れることがあります。特に大量のフケが発生している場合は、皮膚バリアが損なわれている可能性があります。

 

<症状の程度による深刻度>

・軽度
軽い赤みや一時的な掻きむしりが見られても、短時間で収まる場合は、環境要因や一時的な刺激によるものかもしれません。

・中度
症状が継続的に現れ、脱毛や発疹を伴う場合は、アレルギーや寄生虫、感染症の可能性があります。

・重度
強い炎症、広範囲の脱毛、傷を伴う場合はすぐに動物病院を受診する必要があります。放置すると症状がさらに悪化し、治療が困難になる恐れがあります。

 

【獣医師による診断と治療の流れ】

動物病院では以下のような流れで診察と治療が進められます。

<診断>

愛犬の痒みの原因を特定するためには皮膚の検査をはじめさまざまな検査を必要とする場合があります。
診察では問診触診を行い、症状がいつから始まったのか、どの部分に現れているのかを確認します。特にアレルギーが疑われる場合には、生活環境や食べ物など詳細な情報をヒアリングします。

次に、皮膚の検査で細菌、真菌、寄生虫の有無などを確認します。感染症がなかなか改善しない場合には、細菌培養検査を行うこともあります。
また、症状や経過に応じて血液検査やアレルギーの調査を行います。

これらの検査結果を基に治療方針を決定し、改善を目指します。

 

<治療方法>

一般的に、原因を取り除きながら皮膚環境を整える治療が行われます。

感染症の場合は、細菌感染には抗生物質真菌感染には抗真菌薬を使用するなど、原因に合わせた薬が処方されます。

アレルギーが疑われる場合には、食事の変更や考えられるアレルゲンの除去などが試されます。

また、症状に応じて薬用シャンプーでの定期的な洗浄や、ステロイドや抗ヒスタミン薬を用いた痒みのコントロールを行います。

痒みの症状を放置すると悪化することがあるため、早めに動物病院で診察を受けることが大切です。ネット上の情報は正確ではない場合も多いため、鵜呑みにせず、必ず獣医師に相談してください。

なお、市販されている人間用の痒み止めやクリームを犬に使用することは非常に危険です。
一見効果がありそうに見えるものでも、成分が犬にとって有害で、場合によっては重篤な健康被害を引き起こす恐れがあります。必ず獣医師の指示に従い、適切なケアを行うようにしてください。

 

【動物病院に連れて行くタイミングとは?|症状別の受診目安】

愛犬が痒みや皮膚トラブルを抱えている場合、どのタイミングで動物病院を受診すべきか迷うことがあるかもしれません。ここでは、即座に受診が必要な危険なサインと、経過観察が可能なケースについて説明します。

<即座に受診が必要な危険なサイン>

以下のような症状が見られた場合は、すぐに動物病院を受診してください。

・強い炎症や腫れ
皮膚が赤く腫れ上がり、熱を持っている場合は感染症の可能性があります。放置すると症状が悪化する恐れがあります。

・広範囲の脱毛
部分的ではなく、全身的に毛が抜けている場合は、ホルモン異常や真菌感染が疑われます。

・化膿や異臭
皮膚から膿が出ている、または異臭がする場合は細菌感染が進行している可能性があります。

・血が出るほど掻きむしる
痒みが強く、傷ができて出血している場合はすぐに治療が必要です。

・元気がない、食欲不振
痒みに加えて元気がなく、食欲も低下している場合は、他の疾患が関係している可能性があります。

 

<経過観察が可能な症状>

以下のような症状は、まず自宅でケアを試みながら経過を観察することができます。ただし、症状が改善しない場合や悪化する場合は、速やかに動物病院を受診してください。

・軽い赤みや痒みが局所的に見られる場合
・フケが少量発生しているが、痒みがそれほど強くない場合
・一時的な刺激(例:草むらに入った後など)が原因と考えられる軽度の症状

 

<早めの受診が愛犬の健康とコストに直結>

症状を放置してしまうと、軽度の皮膚トラブルが感染症や慢性疾患に発展し、治療が長期化してしまうことがあります。
結果として治療費が高額になるだけでなく、愛犬にとっての負担も大きくなります。早めに受診し、適切な治療を受けることで、愛犬の健康を守りつつ、コストを抑えることができます。

 

【自宅でできる対処法】

痒みの原因に応じた適切な対処を行うことで、愛犬が快適に過ごせる生活を守ることができます。ここでは、自宅でできるケアのポイントについて詳しく説明します。

・シャンプーの選び方
愛犬の肌に優しい低刺激性のシャンプーを使うことが大切です。特に、アレルギーや乾燥肌に対応した専用の製品を選ぶと、症状の緩和に役立ちます。初めて使用するシャンプーを選ぶ際には、かかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。

・環境整備
家の中を清潔に保つことで、ホコリやダニの発生を防ぐことができます。特に、愛犬がよく過ごす寝床やラグ、ソファなどは、定期的に掃除して清潔を保つように心がけましょう。

・食事の見直し
アレルギーの原因となる可能性がある食材を避けるためには、獣医師と相談しながら適切なフードを選ぶことが必要です。食事は愛犬の健康を支える基本なので、慎重に選びましょう。

・保湿ケア
乾燥が痒みの原因となる場合には保湿ケアを取り入れてみてください。犬専用の保湿スプレーやクリームを使うことで皮膚の潤いを保ち、バリア機能をサポートすることができます。

これらのケアを日常的に行うことで、痒みの軽減が期待できます。症状が改善しない場合や悪化する場合には、早めに動物病院を受診するようにしてください。

 

【まとめ】

犬の痒みや皮膚トラブルは、愛犬の健康に深く関わる大切な問題です。日常の中で少しでも「おかしいな」と感じることがあれば、早めに対処することが愛犬を守る第一歩です。

また、毎日のお手入れや観察を習慣にすることで、小さな異変にも気づきやすくなります。愛犬と触れ合いながら皮膚や被毛の状態をチェックすることは、健康を守るだけでなく、絆を深める時間にもなります。

もし困ったことや迷うことがあれば、一人で悩まず、当院にご相談ください。

 

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