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愛犬のいびきが気になる|原因と対策、そして注意したい病気のサイン

コラム

「最近、うちの犬のいびきがちょっと気になる…」そう感じる飼い主様も多いかもしれません。
寝ている姿から聞こえるいびき、ただの寝息なら安心ですが、「もしかして病気のサイン?」と不安になることもありますよね。
実はいびきにはさまざまな原因があり、場合によっては健康に関わることもあります。

今回は、愛犬のいびきの原因やその対策、そして見逃してはいけない病気のサインについてわかりやすく解説します。

■目次
1.犬のいびきの一般的な原因
2.いびきに潜む健康リスクとは?
3.いびきを軽減するための自宅でできる対策法
4.いびきが気になるときに動物病院へ相談するタイミング
5.まとめ

 

【犬のいびきの一般的な原因】

いびきが発生する理由はいくつか考えられますが、その原因を知ることで必要に応じて適切な対処ができるようになります。
ここでは、主な原因について詳しくご紹介します。

・犬種による解剖学的特徴
特に鼻が短い「短頭種」と呼ばれる犬種(例:パグ、フレンチブルドッグ、シーズーなど)は、いびきをかきやすいことで知られています。
これは、鼻腔が狭く、空気の通り道が制限されてしまうためです。短頭種の可愛らしい見た目が人気ですが、実は呼吸がしづらくなることが多く、これがいびきの原因になることがあります。

短頭種気道症候群についてはこちらで解説しています

 

・体重過多や肥満
体重が増えると首や喉の周りに脂肪がつきやすくなり、気道が狭まってしまうため、いびきが発生しやすくなります。
適切な体重管理はいびきを減らすだけでなく、愛犬の全体的な健康維持にも繋がる重要なポイントです。

 

・加齢による影響
年齢を重ねることで、犬も人間と同じように筋肉が弱まることがあります。特に喉や気道の筋肉がたるんでしまうことで、いびきの原因になることがあります。
シニア犬でいびきが目立つようになった場合、加齢による自然な変化として考えられますが、定期的な健康チェックは欠かせません。

 

・アレルギーや上気道感染
愛犬がアレルギーを持っている場合、鼻腔や気道に炎症が起こり、空気の通りが悪くなることがあります。これによって、いびきが発生しやすくなります。
また、風邪や上部気道感染症による気道の狭まりも、同様にいびきの原因になることがあります。

 

・睡眠姿勢
愛犬が特定の寝姿勢のときにいびきをかくことがあります。
例えば、仰向けで寝ていると舌や喉の筋肉が気道を塞いでしまい、一時的にいびきをかくことがあります。この場合、寝る姿勢を変えるだけでいびきが軽減することもあるので、寝姿勢を見直してみるとよいでしょう。

 

【いびきに潜む健康リスクとは?】

いびきが単なる生理現象ではなく、何らかの病気のサインであることもあります。ここでは、いびきが関連している可能性のある健康問題についてご説明します。

・閉塞性睡眠時無呼吸症候群
いびきに加えて、呼吸が一時的に止まる「無呼吸」が見られる場合は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
この病気は、空気の流れが一時的に完全に遮断されることで起こり、重症化すると命に関わることもあります。

 

・気管虚脱
気管が部分的に潰れて空気の流れが妨げられ、いびきや咳を引き起こす病気です。特に小型犬で多く見られ、進行すると呼吸困難を引き起こす場合もあります。

気管虚脱についてはこちらで解説しています

 

・鼻腔や喉の腫瘍
いびきが急に始まる、または悪化している場合、鼻や喉に腫瘍ができている可能性もあります。腫瘍が気道を塞いで呼吸がしづらくなり、その結果いびきが発生します。

鼻腔内腫瘤状病変についてはこちらで解説しています

 

・心臓疾患
心臓の病気が進行すると肺や呼吸器系に影響を与え、いびきが発生することがあります。
特に寝ている間に呼吸が浅くなり、いびきに加えて息切れや咳が見られる場合は、心臓の問題が疑われます。

僧帽弁閉鎖不全症についてはこちらで解説しています

 

【いびきを軽減するための自宅でできる対策法】

愛犬のいびきを軽減するために、自宅でできる対策は意外と多くあります。いびきが気になる場合、次のような方法を試してみてください。

<適切な体重管理と運動>

肥満はいびきの原因のひとつで、首や喉の周りに脂肪がつくと気道が狭まり、呼吸がしづらくなることがあります。
適度な運動とバランスの取れた食事で体重をしっかり管理することが、いびき改善にはとても効果的です。

 

<睡眠環境の改善>

愛犬が快適に眠れる環境を整えることも、いびきを軽減するのに役立ちます。例えば、部屋の湿度や温度を適切に保つことが大切です。
乾燥した空気は喉や気道に負担をかけ、いびきの原因になることがあります。加湿器や空気清浄機を活用して、愛犬がリラックスできる環境を作りましょう。

また、寝床をふかふかのベッドに替えたり、枕やクッションで頭を少し高くしたりするだけでも、舌が気道を塞ぐのを防ぎ、呼吸がしやすくなります。

 

<アレルギー対策>

アレルギーが原因で鼻腔や喉に炎症が起きると、いびきが増えることがあります。
空気清浄機の活用部屋をこまめに掃除するなどにより、ダニやほこりなどのアレルゲンを減らしましょう。

もし愛犬が外遊びをした後にいびきがひどくなる場合は、花粉などの環境アレルギーが原因の可能性もありますので、外遊びの後には体を拭いてあげることも効果的です。

 

<首輪の調整>

首輪がきついと喉に圧力がかかり、呼吸がしづらくなることがあります。愛犬の首輪がきつすぎないかを確認し、適切なフィット感で調整しましょう。
また、首輪よりも呼吸器官への負担が少ないハーネスに切り替えることも検討してみてください。

 

【いびきが気になるときに動物病院へ相談するタイミング】

・いびきの頻度や音の急激な変化
普段は静かないびきだったのに、突然大きな音が混じる場合や頻度が増えた場合、気道や肺に異常がある可能性があります。

 

・日中の異常な眠気や活動量の低下
愛犬が日中に異常に眠そうにしている場合や、活動量が極端に減っている場合、睡眠時無呼吸症候群心臓病による肺の問題(肺水腫など)が考えられます。

肺水腫についてはこちらで解説しています

 

・呼吸困難や咳の症状
息が荒くなる、呼吸が苦しそうに見える、咳をしている、などの症状がある場合は呼吸器に問題があるかもしれません。こうした症状が見られたら、すぐに獣医師の診察を受けることが大切です。もし夜間に症状が出た場合は、夜間救急の動物病院を受診することも検討しましょう。

 

・食欲不振や体重の急激な変化
いびきと共に食欲が落ちたり、急激な体重減少が見られたりする場合は、全身的な健康問題が隠れている可能性があります。
体重の変化は健康状態を示す重要なサインですので、見逃さないようにしましょう。

 

【まとめ】

愛犬のいびきが急に始まったり、ひどくなったりした場合は、何かしらの健康問題が隠れている可能性があります。
適切な体重管理や睡眠環境の見直し、アレルギー対策、そして必要に応じて獣医師の診察や治療を行うことで、いびきを軽減し、愛犬の健康を守ることができるでしょう。

また、定期的な健康診断は呼吸器系の病気を含むすべての病気の予防や早期発見に役立ちますので、ぜひ忘れずに受けましょう。
もし、愛犬の呼吸に異変や不安があるときはお気軽に当院にご相談ください。

 

■関連する病気はこちらで解説しています
軟口蓋過長症
咽頭気道閉塞症候群
気管・気管支軟化症

 

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