愛犬の口臭が突然強くなった…|放置すると危険な原因とは
コラム
ふと愛犬が顔を近づけてきたときに、「あれ?なんだか口がにおうかも…」と感じたことはありませんか?
これまで特に気にならなかったのに、最近急ににおいが強くなったと感じている飼い主様も多くいらっしゃいます。
実は、犬の口臭はただの「におい」ではなく、口の中のトラブルや、体のどこかに異変があるサインとして現れることがあります。
今回は、「なぜ急に口が臭くなったのか?」「放っておいても大丈夫?」「どんな症状に気をつけたらいいの?」といった、飼い主様が気になりやすいポイントについて解説します。
■目次
1.犬の口臭が急に強くなる一般的な原因
2.注意が必要な口臭の特徴
3.歯と歯茎の問題|最も多い口臭の原因
4.口の内の変化|意外と分かりづらい原因
5.内臓疾患による口臭|見落としがちな危険信号
6.すぐに動物病院を受診すべき症状
7.まとめ
【犬の口臭が急に強くなる一般的な原因】
愛犬の口臭が突然強くなったとき、まず考えられるのは「口の中のトラブル」で、特に多いのが、歯垢や歯石の蓄積によるものです。
特に小型犬は歯石がつきやすく、口の中で細菌が繁殖してイヤなにおいの原因となることがあります。
また、食べ物の影響も見逃せません。ごはんの内容が変わったり、変なものを拾い食いしてしまったりした場合、一時的に口臭が強くなることもあります。
そのほかにも、加齢により口の中が清潔に保ちにくくなるケースや、飲水量の不足・唾液の分泌量の変化といった要因が重なって、口臭が強くなることがあります。
いずれも一時的な変化で済むこともありますが、原因によっては早めの対処が必要になることもありますので、注意しましょう。
【注意が必要な口臭の特徴】
ひと口に口臭といっても、その“におい”にはさまざまなタイプがあります。
中でも特に注意していただきたいのが、以下のようなにおいです。
・生ごみのようなにおい
・鉄っぽい、血のようなにおい
・ツンとしたアンモニア臭
これらのにおいは、ただ口の中が汚れているだけではなく、体の中で深刻なトラブルが起きているサインである可能性があります。
【歯と歯茎の問題|最も多い口臭の原因】
犬の口臭の原因として最も多く見られるのが、歯周病などの歯や歯茎のトラブルです。
歯垢(プラーク)は、食べ物のカスと細菌が混ざってできたもので、これをそのままにしておくと、やがて硬い歯石へと変化し、どんどん口の中にこびりついていきます。
この歯石が歯茎を刺激すると、炎症や出血、膿が起こり、強いにおいの原因になります。
さらに症状が進むと、歯がグラグラしてくる、歯茎が腫れてごはんが食べづらくなる、最悪の場合には歯が抜けてしまうこともあります。
口の中のトラブルは外からではわかりにくく、犬は痛みを我慢してしまうことが多いため、異変があっても普段どおりにふるまってしまうことがあります。
だからこそ、飼い主様が日常の中で小さなサインに気づいてあげることがとても大切です。
口のにおいだけでなく、食べ方や口元のしぐさなど、少しでも「いつもと違う」と感じたら注意して見てあげましょう。
【口の内の変化|意外と分かりづらい原因】
歯と歯茎以外にも、口の中の変化が原因となる場合があります。常に口を開けて口呼吸をしている場合や脱水を起こしているような場合には、口の中の乾燥が口臭を悪化させていることがあります。
また、口の中に腫瘍ができていると、特に悪性の場合には重度の炎症によりかなり強い口臭を伴うケースもあります。口臭に加えてよだれの増加や口からの出血がみられる場合には、口腔内腫瘍が疑われるため、早期に病院を受診しましょう。
【内臓疾患による口臭|見落としがちな危険信号】
口臭の原因は、必ずしも口の中だけとは限りません。
実は、腎臓・肝臓・胃腸・すい臓などの内臓にトラブルがあるときにも、口臭としてサインが現れることがあります。
たとえば、ツンとしたアンモニアのようなにおいがするときは、腎臓疾患の可能性があります。
腎臓の働きが低下すると、体内の老廃物がうまく排出されず、それがにおいとなって口から出てきてしまうのです。
また、糖尿病がある場合には、「甘酸っぱい」「フルーツのような」独特なにおいがすることがあります。これは、体内にケトン体という物質が増えることによって起こります。
このような内臓疾患による口臭は、明らかにいつもと違うにおいであることが多く、同時に体調不良や体重減少などの他の症状が出ることもあります。
【すぐに動物病院を受診すべき症状】
口臭が気になるとき、以下のような症状が見られる場合は、早めの診察がとても大切です。
・口臭が日に日に強くなっている
・ヨダレに出血や膿が混ざっている
・ごはんを食べたがらない、食べにくそうにしている
・顔や口元に触られるのを嫌がる
・口のまわりをしきりに気にしている
・口臭と同時に体重が減ってきた
・呼吸が浅く、苦しそうにしている
こうした症状がある場合、ただの口のトラブルではなく病気が隠れている可能性もあります。
「少し様子を見てからにしようかな…」と思ってしまうこともあるかもしれませんが、体の中では症状が進んでいることも。
迷ったときは、できるだけ早めに動物病院へご相談ください。
【まとめ】
犬の口臭は、ただ「におい」というだけでなく、体の中で起きている異変を知らせる大切なサインです。
原因としては、歯周病などの口腔トラブルから、腎臓・肝臓・胃腸といった内臓の病気まで、さまざまな可能性があります。
日頃から、愛犬の息のにおいをチェックする習慣を持ち、「いつもと違うかも?」と感じたら、迷わず動物病院にご相談ください。
当院では、愛犬の口臭トラブルについて、丁寧に診察し、それぞれの状態に合ったケアをご提案しています。まずは一度、気軽にご相談ください。
飼い主さんと動物たちのえがおのために
京都府長岡京市「乙訓どうぶつ病院」
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