乳歯遺残|動物病院をお探しなら、長岡京市にある乙訓どうぶつ病院へお任せください。

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乳歯遺残

歯科

【病態】

乳歯遺残(にゅうしいざん)とは、乳歯が抜け落ちないまま、隣接して永久歯が生えてきてしまう状態を指します。本来であれば、永久歯が生えてくる圧力で乳歯の根っこが吸収され、自然と抜け落ちるはずです。しかし、何らかの理由で乳歯が残り続けると、口腔内に歯が密集してしまいます。

特に犬の犬歯でよく見られ、小型犬の飼い主様からご相談をいただくことが多い症状です。もちろん猫でも起こり得るので、日頃から愛犬・愛猫の口の中を確認する習慣をつけましょう。

乳歯遺残の状態が続くと、乳歯と永久歯の非常に狭い隙間に汚れがたまりやすくなります。この汚れが原因で、周囲の歯ぐきが炎症を起こし、歯周病へと進行する恐れがあります。
また、歯が密集することで、永久歯の生えてくる位置がずれたり、噛み合わせが悪くなったりすることもあります。大切な永久歯を健康に保つためにも、早い段階での確認が重要です。

 

<乳歯の抜ける時期の目安>
乳歯が抜ける目安として、一般的には生後6〜7か月頃までには生え替わりが完了します。もしこの時期を過ぎても乳歯が残っている場合は、乳歯遺残の可能性を考えましょう。
「もう少し様子を見よう」と長引かせず、子犬・子猫期の避妊去勢手術を検討する時期などに合わせて、一度動物病院へ相談されることをおすすめします。

 

【症状】

乳歯遺残は、単に歯が二重に生えているという見た目の問題にとどまりません。その状態を放置することで、永久歯の成長を妨げる噛み合わせの悪化や、汚れの蓄積による激しい炎症など、口腔内の健康を脅かす症状があらわれます。

愛犬や愛猫の口の中に、以下のようなサインがないか確認してみてください。

・乳歯と永久歯が二重に生えている
・犬歯が2本並んでいるように見える
・永久歯の向きが明らかに不自然である
・口臭が気になるようになった
・歯ぐきが赤く腫れている
・食事中にフードをこぼす、片側だけで噛んでいるように見える
・口元を気にしている様子が増えた
・歯みがきを極端に嫌がるようになった

特に、「歯ぐきに赤みや出血がある」「明らかに口臭が強くなった」「乳歯の周りに歯垢が溜まっている」「口を触ろうとすると嫌がる」といった様子が見られる場合は、早めに受診が必要です。

ご家庭で乳歯を無理に抜こうとするのは控えましょう。痛みだけでなく、歯の破折などトラブルを悪化させる恐れがあります。
また、普段の歯みがきが難しい場合も無理をせず、乳歯遺残を含め他の口腔内トラブルが起きていないかを動物病院で確認できると安心です。

 

【診断】

乳歯遺残を疑ってご来院いただいた場合、当院では以下のような観点で口腔内を確認します。

・残っている歯が乳歯か永久歯か
・永久歯の向きや生え方
・噛み合わせへの影響
・歯ぐきの炎症度合い

このように現在の状況から将来的なリスクなどを検討したうえで「すぐに抜歯が必要か、あるいはもう少し経過観察でよいか」を判断します。

また、健康診断や定期的な歯科検診で見つかるケースもあります。

 

<避妊・去勢手術と同時に検討もおすすめ>
特に避妊・去勢手術前の相談は非常に有効です。乳歯遺残は、ちょうどその年齢で見つかることが多いためです。

そして、避妊・去勢手術は全身麻酔をかけて行うため、麻酔が効いている間に乳歯の抜歯を行うことができ、愛犬や愛猫への身体的な負担を抑えられます
もちろん、すべてのケースで同時に行うのが最善とは限りませんので、事前の診察で慎重に判断させていただきます。

▼避妊・去勢手術についてはこちらで解説しています

 

【治療】

乳歯遺残の治療における基本は、残ってしまった乳歯を抜歯することです。永久歯の成長に悪影響を及ぼしている場合や、すでに歯周病のリスクが高まっている場合は、早めの対応が望まれます。

抜歯に際しては、乳歯の根っこが歯ぐきの中に残らないよう、非常に慎重な処置が求められます。根が少しでも残ってしまうと、後から炎症や感染の原因になりかねません。

この処置において、当院では原則として全身麻酔下での抜歯を行っています。なぜなら、歯の根は歯ぐきの中に深く入り込んでおり、安全かつ確実に根まで処置するには、動物が痛みを感じず、体や口を動かさない状態を確保する必要があるためです。

安全性を最優先に考え、しっかりと状況を確認しながら丁寧な処置を行うことが、将来的な口腔トラブルを未然に防ぐことにつながります。

▼手術と麻酔についてはこちらで解説しています

 

【予後】

乳歯遺残は早期に対応できれば、将来のトラブルを未然に防ぐことが期待できます。
シニア期になっても自分の歯で食事を楽しめるように、日頃からの観察とデンタルケアを習慣づけましょう。

反対に放置してしまうと、汚れが除去できないまま歯周病が急速に進行し、若いうちから永久歯の抜歯が必要になってしまったり、不正咬合(噛み合わせの問題)が固定化したりするリスクもあります。

治療後も、ご家庭での歯みがきがとても重要になります。当院では、ご自宅でのケアをスムーズに行えるよう、飼い主様に寄り添った歯みがき指導を行っています。

そして、定期的な歯科検診や、その子のお口の状態に合わせた予防ケアを組み合わせることで、いつまでも健康な口元を保つことが可能です。

当院では避妊・去勢手術と同時に行う抜歯のご相談も承っております。
お口の健康は全身の健康につながります。不安や疑問がございましたら、お気軽にご相談ください。

 

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