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犬・猫が片側だけで噛む・顔を傾けて食べる原因は?歯科・口腔トラブルのサイン

コラム

愛犬や愛猫が食事をしているときに「最近、右側だけで噛んでいる」「顔を傾けるようになった」と感じたことはありませんか?

食欲があっても、口の中に異常がないとは限りません。犬や猫が片側だけで噛む、顔を傾けて食べるといった変化は、歯や口の中の痛みを避ける行動かもしれません。

今回は、食べ方に表れる歯科・口腔トラブルのサイン、考えられる原因、受診の目安について解説します。

■目次
1.犬・猫が片側だけで噛むようになったのはなぜ?
2.片側だけで噛むときに考えられる歯科・口腔疾患
3.動物病院を受診する目安|食事量と顔の変化を確認
4.動物病院で行う歯科検査と治療
5.まとめ|片側だけで噛む変化を見逃さずにご相談を

 

【犬・猫が片側だけで噛むようになったのはなぜ?】

犬や猫が「右だけ」「左だけ」のように、いつも同じ側で噛む場合は、歯や歯茎、口腔粘膜などに痛みや違和感がある可能性があります。痛む部分を避けるため、片側で噛んだり、顔を傾けたりしていることも考えられます。

一時的な癖もありますが、食事のたびに続く場合は、次のような変化がないかも確認しましょう。

✅ フードを口から落とす
✅ 硬いフードを避ける
✅ 食事に時間がかかる
✅ 食べ始めても途中でやめる
✅ 以前より噛まずに飲み込むことが増えた
✅ 口元を前足でこする
✅ よだれや口臭が増える
✅ 食器や口元に血が付く

犬や猫は口に痛みがあっても食べ続けることがあります。食欲だけでなく、食べ方にも目を向けましょう。

 

【片側だけで噛むときに考えられる歯科・口腔疾患】

片側だけで噛む原因として、次のような歯科・口腔疾患が考えられます。

 

<歯周病>
歯周病は、歯垢に含まれる細菌によって歯茎や歯を支える組織に炎症が起こる病気です。進行すると歯がぐらつき、噛んだときに痛みが表れることがあります。口臭、歯茎の赤みや出血も確認したいサインです。

▼歯周病についてはこちらで解説しています

 

<歯の破折・歯根の炎症>
破折(はせつ)とは、歯が折れたり欠けたりした状態です。犬では硬い玩具やおやつを噛んだことがきっかけになる場合があります。歯の内部にある歯髄(しずい)が露出すると、痛みや細菌感染につながります。

また、歯周病や破折から歯根に炎症が広がると、歯の表面に目立った異常がなくても噛んだときに痛むことがあります。炎症の位置によっては、目の下や頬が腫れることもあります。

▼歯の破折についてはこちらで解説しています

 

<歯の吸収病巣>
歯の吸収病巣は、歯の硬い組織が少しずつ吸収される病気で、猫に多くみられます。病変が進むと、フードが歯に触れた際に痛みを伴うことがあり、顔を傾ける、以前より噛まずに飲み込む、食事中に歯ぎしりをするといった変化が表れる場合があります。

▼吸収病巣についてはこちらで解説しています

▼猫の歯ぎしりについてはこちらで解説しています

 

<口内炎・異物・口腔内のできもの>
口内炎などによって歯茎や口の奥に炎症が起こると、痛みで食べにくくなる場合があります。特に猫では、食べたそうにしているのに口に入れられない、よだれに血が混じるといった症状がみられることがあります。

そのほか、口の中に刺さった異物や傷、腫瘤(しゅりゅう)も原因です。口腔内腫瘍では、出血、強い口臭、顔の腫れなどを伴うことがあります。

▼口内炎についてはこちらで解説しています

 

【動物病院を受診する目安|食事量と顔の変化を確認】

片側だけで噛む状態が繰り返される場合は、動物病院への受診をご検討ください。次のような症状があるときは、早めの受診が適しています。

✅ 食べたそうにするものの、痛がって食べられない
✅ 食事量が減っている、体重が落ちてきた
✅ よだれに血や膿が混じる
✅ 歯が折れている、ぐらついている
✅ 顔の片側や目の下が腫れている
✅ 口からの出血が続いている
✅ 元気がない

まったく食べられない、呼吸が苦しそう、出血が止まらない場合は、速やかに動物病院へ連絡してください。

 

<受診前に確認したいこと>
診察では、いつから食べ方が変わったか、どちら側で噛んでいるか、食事量が減っていないかをお伝えください。
食事中の様子を動画で撮影すると、顔の傾け方や噛み方を確認する手がかりになります。

痛みが疑われるときに無理に口を開けると、犬や猫が驚いて噛んだり、傷ついた部分から出血したりする恐れがあります。見える範囲の確認にとどめるようにしましょう。

 

【動物病院で行う歯科検査と治療】

診察では、顔の腫れや痛みを確認し、可能な範囲で口の中を観察します。ただし、歯根や歯茎の内側にある病変は、見た目だけでは分からないことがあります。

必要に応じて血液検査などで全身状態を確認し、麻酔が可能かどうかを評価します。
そのうえで、全身麻酔下で口腔内を詳しく調べ、歯科レントゲン検査を行う場合があります。
歯科レントゲン検査では、歯根や歯槽骨(しそうこつ)の状態、吸収病巣などを確認できます。

治療は原因や全身状態によって異なります。

主な治療には、次のようなものがあります。

・歯周病:歯石や歯垢の除去、歯周ポケット内の清掃、歯を支える組織の状態に応じた抜歯
・歯の破折:抜歯、または歯の内部を処置して歯を残す歯内治療
・歯の吸収病巣:病変の進行度や歯根の状態に応じた抜歯などの処置
・口内炎:炎症や痛みを抑える治療、歯石や歯垢の除去、状態に応じた抜歯
・異物:口腔内に刺さったり挟まったりしている異物の除去と、傷や炎症への処置

処置後は必要に応じて鎮痛薬や抗菌薬を使用し、食事の工夫や自宅での口腔ケアについてもご案内します。

 

<乙訓どうぶつ病院の歯科診療>
乙訓どうぶつ病院では、歯科レントゲンによる確認や、全身麻酔下での歯科処置・抜歯に対応しています。
あわせて、食欲、体重、持病なども確認しながら、その子の状態を総合的にみて診療を進めます。

痛みや食べ方の変化が表れている歯科・口腔疾患の診療に加え、トラブルの早期発見につなげるための歯科検診や日頃の口腔ケアについてもご相談いただけます。

▼当院の歯科口腔外科手術・麻酔についてはこちらでご案内しています

▼当院のデンタル処置についてはこちらで解説しています

 

【まとめ|片側だけで噛む変化を見逃さずにご相談を】

犬や猫が片側だけで噛む、顔を傾けて食べるときは、歯周病、破折、歯根の炎症、吸収病巣、口内炎などによる痛みが隠れている可能性があります。

同じ食べ方が続く場合や、出血、顔の腫れ、食事量の低下を伴う場合は、早めに動物病院で口の中を確認してもらいましょう。

「まだ食べられているから大丈夫」と思うような段階でも、食べ方に違和感がある場合はお気軽に当院までご相談ください。当院は予約優先制で、WEBからもご予約いただけます。

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